キム・ジンピョ の最新ニュースまとめ
事故は昨年10月29日、ハロウィーンを前にした週末でごった返す梨泰院の通りで起きた。現場は幅3~4メートルほどの狭い坂道で、一部の人が転倒した後、次々に折り重なるように倒れる群衆雪崩が起きた。事故では日本人2人を含む159人が死亡した。犠牲者は10代、20代の若者が多い。高校生ら約300人が犠牲となった2014年の旅客船セウォル号沈没事故以来の惨事となった。
事故を受けて、警察庁は約500人で構成する特別捜査本部を発足。警察庁や消防庁に捜索に入るなど捜査を進め、梨泰院を管轄するヨンサン(龍山)警察署のイ・イムジェ(李林宰)前署長や龍山区のパク・ヒヨン(朴熙英)区長ら23人(逮捕6人)を業務上過失致死などの容疑で送検した。
一方、行政安全部(部は省に相当)のイ・サンミン(李祥敏)長官やソウル市のオ・セフン(呉世勲)市長、警察トップのユン・ヒグン(尹熙根)警察庁長らは人出の危険性に対する具体的な注意義務があったわけではないとして、「嫌疑なし」とされた。
特別捜査本部は、事故当時の状況について、現場付近では1平方メートル当たり最大で12人を超える過度な密集状態となり、自分の意思で身動きが取れない状況だったとした。多くの人が死亡した坂道では、事故の前後に1平方メートル当たり最大で10.74人、坂道の上にある通りでは最大12.09人の過度な密集状態になっていたとしている。坂道に当時いた人には平均224~560重量キログラム(kgf)の力がかかっていたと推定され、一般的に、1平方メートル当たり7人程度が密集すると、窒息する恐れがある。事故発生時間前の1時間以上前から、現場付近では自分の意思で身動きが取れない状況となっていたことがわかっており、同時多発的に人が倒れたところにさらに人が押し寄せたことで、多くの人が窒息などで死亡したとみられている。
事故から100日となった5日、韓国国会の国政調査特別委員会が国会議員会館で追悼式を開いた。遺族会のイ・ジョンチョル代表は「『愛する人を守れなかった』と自分を責める家族や友人を二度と生んではならない」と訴えた。キム・ジンピョ国会議長は、今後二度と今回の事故のような大惨事が起こらないよう、制度的な問題を解決するために力を結集すると誓った。与党「国民の力」トップのチョン・ジンソク非常対策委員長は「遺族と共に未来を見て、政権与党としての責任を果たす」と述べた。最大野党「共に民主党」のイ・ジェミョン(李在明)代表は「国は国民の生命に無限の責任を負わなければならないということを大統領、政府与党は肝に銘じるべきだ」と指摘した。
また、4日にはソウル中心部で「100日追悼大会」が開かれた。遺族たちは「10・29」とプリントされたマフラーに、4つの星が描かれたバッジをつけて臨んだ。4つの星は犠牲者と遺族、生存者、救助者を意味する。会場の広場には焼香所が設けられ、遺影が並んだ。開催前には開催する場所をめぐり、遺族ら参加者側と行政側が激しく衝突する事態となり混乱した。
先月13日で、事故の捜査は終結したが、捜査が未だ不十分だと訴える遺族は多い。遺族会などはユン・ソギョル(尹錫悦)大統領の正式な謝罪、行政安全部の李祥敏長官の罷免などを求めている。犠牲者の母親の一人は「警察が自分たちの身の安全のために救助に当たらなかったために多くの人の命が失われたと考えている」と話した。前出の遺族会のイ・ジョンチョル代表は「調査で明らかになっていないことが多々あり、真相究明のための特別法の制定を促していきたい」と話した。
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