<W解説>韓国・ソウルの新スローガンは「Seoul,my soul(私の魂を満たす都市ソウル)」=韓国のネット上の反応は?(画像提供:wowkorea)
<W解説>韓国・ソウルの新スローガンは「Seoul,my soul(私の魂を満たす都市ソウル)」=韓国のネット上の反応は?(画像提供:wowkorea)
韓国の首都・ソウル市の新しいスローガンが「Seoul,my soul」(ソウル、マイ・ソウル=私の魂を満たす都市ソウル)に決定した。同市はこれまで新ブランドの開発を進めてきており、それに関連して従来の「I・SEOUL・U」にかわる新スローガンの選考を行ってきた。

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昨年12月28日から市民らを対象に選好度調査を実施した。1月31日までの1次審査には39万7721人が参加。その結果、「Seoul,my soul」と「Seoul for you」の2つが最終候補となった。2月15日から3月16日まで決選投票を行い、26万513人が参加。「Seoul,my soul」(63.1%)、「Seoul for you」(36.9%)という結果となり、新スローガンは「Seoul,my soul」に決まった。Seoul(ソウル)と「soul」の発音が同じことから、新スローガンには「魂で満たされた都市」との意味が込められているという。

ソウル市では2015年からこれまで「I・SEOUL・U」をスローガンに掲げてきた。「私とあなたのソウル」と訳され、決定時、市側は「私とあなたの間にソウルがある」との意味が込められていると説明したが、文法的にも間違っており、当時から「意味不明」と国内外から酷評されてきた。

当時、日本の月刊総合情報誌「サイゾー」のニュースブログ「日刊サイゾー」が「I・SEOUL・U」について取り上げており、記事は外国人の反応を紹介しながら「テレビのインタビューに応じた外国人たちは『何か包括的なメッセージであるのは理解できるけど、パッと見ただけでは確かにわかりづらい』『英語圏の人には、I sold you.みたいな、 “私はあなたを売った”というふうに聞こえる。いいスローガンとはいえない』『ちょっと普通じゃないね』と、失笑気味だった」と伝えた。このスローガンを決めるに当たり、プロジェクトの1次審査に参加した著名なコピーライターも「韓国のコピーライターとして正直恥ずかしい。絶対作り直すべきだし、それが難しいのなら当分はスローガンなしで過ごすのも悪くない」と当時、苦言を呈したという。

一方、市庁舎前の広場など市内各所には「I・SEOUL・U」のオブジェが設置され、フォトスポットにもなってきた。しかし、昨年6月にソウル市民約1000人とソウルを訪れたことがある外国人200人を対象に行った調査では、「I・SEOUL・U」のスローガンを「知っている」と答えた人の割合は韓国内では69.3%、海外では17.9%にとどまった。

ソウル市は「I・SEOUL・U」が選ばれるまで、また別のスローガンを掲げていた。イ・ミョンバク(李明博)市長時代の2002年に「Hi Seoul」が選定され、さらに2006年には「Soul of Asia」を追加。2015年に「I・SEOUL・U」が新しく選定されたことで「Hi Seoul」「Soul of Asia」の2つのスローガンはなくなった。

昨年6月に就任した呉世勲(オ・セフン)市長は「I・SEOUL・U」は意味があいまいで伝達力に欠けるとして変更する意向を示した。これを受けて市は、新たなブランドスローガンの開発に着手。韓国人・外国人からの意見収集、専門家によるブランディング作業、ブランドスローガン案の最終決定、ブランドスローガンの拡散の4段階にわたって開発を進めてきた。

そして、市民らを対象とした選好度調査の結果、新スローガンは「Seoul,my soul」に決まった。

ソウル市のチェ・ウォンソク広報企画官は「多くの市民が参加して下さり、盛況のうちにブランドスローガンの投票が終了した」と参加者に感謝の意を伝えた上で、「今後、デザイン作業を経て最終決定する新たなソウルのブランドに、市民の思いを込めていく」と話した。

新スローガンについて韓国のネットユーザーの反応は「意味不明だった『I・SEOUL・U』のスローガンよりもずっといい」「外国人の反応も良さそう」とおおむね好評だ。一方、「一度決めたら少なくとも30年はそのスローガンを使うべき。コロコロ変われば、外国人の記憶にも残らない」とこれまで変更・追加・消滅を経てきたソウル市のスローガンを定着・浸透させる必要性を指摘する声も上がっている。

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