オ・セフン の最新ニュースまとめ
発射を受け、韓国軍は北朝鮮が主張する「宇宙発射体」の一部と推定されるものを朝鮮半島西側の黄海上で見つけ引き上げた。韓国軍当局は1段ロケットと2段ロケットの間の円筒形の連結部分だと見ており、今後、詳しく分析を進める。
韓国政府は31日午前、国家安全保障会議(NSC)常任委員会を開き、「国連安全保障理事会決議の重大な違反であり、朝鮮半島と国際社会の平和と安全を脅かす深刻な挑発だ」と批判した。
北朝鮮が軍事偵察衛星を打ち上げようとしている狙いは、米韓が合同軍事演習を繰り返すなど、北朝鮮に対して強い姿勢を示す中、軍事衛星を有していることを誇示することでこれに対抗する狙いがあるとみられている。
しかし、今回の発射は失敗に終わった。聯合ニュースは「技術的な準備を完璧に終えていない状態で発射を急いだとみられ、技術の完成度よりも政治的動機を重視した可能性が高いとの分析が出ている」と伝えた。韓国・北韓大学院大のヤン・ムジン総長は聯合の取材に「6月上旬までは軍事偵察衛星の打ち上げによって軍事的功績を残し、中旬ごろに党総会で祝い、戦勝節(7月27日)に大規模な閲兵式(軍事パレード)を行った後に国際社会と対話することを構想しているのではないか」との見方を示した。
韓国内では、発射直後にソウル市が市民に退避の準備を促す警戒警報を発令。「6時32分にソウル地域に警戒警報発令。国民の皆さんは退避する準備をし、子供やお年寄り、体が不自由な人が優先的に退避できるようにしてください」との内容のメールが市民らのスマートフォンに送信された。早朝に警告音が鳴り響き、動揺が広がった。しかしその後、政府が「ソウル市が発令した警戒警報は誤発令だった」と訂正。韓国合同参謀本部は「北朝鮮が撃った発射体は西海上を飛行し、首都圏地域とは関係がない」と明らかにし、行政安全部(部は省に相当)も「ソウル市は警報地域に該当しておらず、市がこの日午前に出したSMS(ショートメッセージ)は誤って出された」と説明した。自治体と政府の連携の不十分さが露呈する形となった。市民からは懸念の声が上がっている。
海外メディアもこの一件を報じており、産経新聞は「早朝にスマートフォンや街頭のサイレンが鳴り響き、一部市民がパニックに陥る騒動となった」と伝えた。ワシントンポストは「北朝鮮の発射を警告するサイレンがソウル全域に鳴り響くと、ソウル市民は北朝鮮の核の脅威に対する無関心から目覚めて驚きを禁じ得なかった」と報じた。
一方、ソウル市のオ・セフン市長は記者会見を開き、「混乱を招いて申し訳ない」と謝罪しつつ、「誤発令ではなかったと判断している」と述べた。オ市長は「北が通常、東海(日本海)に発射してきたのと異なり、今回は南側に発射した状況で、1000万人の市民の安全の責任を負うソウル市としては、即時の措置が必要と判断し、警報を発令した」と説明。「安全には妥協できず、過剰なほど対応するのが原則」と強調した。
31日の発射は失敗に終わったが、北朝鮮の国家宇宙開発局は対策を早急に講じ、「できるだけ早いうちに2次打ち上げに踏み切る」と発表した。近く、再発射する可能性も十分にあり、気の抜けなけない日々が続くことになる。
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