最高裁で適法と判断した車両呼び出しサービス、現行法では禁止…司法判断の尊重崩れる=韓国(画像提供:wowkorea)
最高裁で適法と判断した車両呼び出しサービス、現行法では禁止…司法判断の尊重崩れる=韓国(画像提供:wowkorea)
韓国最高裁が車両呼び出しサービス「タダ」を適法だと判断したが、一旦禁止となったタダサービスが復活するのは難しいとみられる。1審が宣告されてから「タダ禁止法」が国会で可決され、サービスが停止になったためだ。

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 韓国の法曹界では「タダ裁判」を教訓に、新産業と既存の産業間で葛藤が生じた場合、刑事事件化を避け、政界が司法判断を尊重すべきとの指摘が出ている。

 4年余り続いたタダ裁判は、起訴当時から「行政事件が刑事事件化された」という憂慮が出ていた。当時、タダは旅客自動車運輸事業法上、11人乗り以上15人乗り以下のレンタカーを借りる場合、運転手の斡旋が可能だという例外条項に基づいて運営された。

 しかし、検察はこれを「タクシーの違法配車サービス」とみなし、国土交通省から免許を受けないまま有償で配車したと判断した。裁判所は「超短期乗合車賃貸借契約」で適法なサービスだと判断した。

 法務法人リンのク・テオン弁護士は、「問題があるなら、行政処分として扱えたものを刑事処罰に導いた事例だ。技術が急変し、経済構造が変わる時代に、新サービスをこれまでの物差しで刑事処罰とするのは、できる限り避けるべき」と主張した。

 1審の無罪宣告直後に法が改正されたことで、立法権の乱用という批判も起きている。法務法人デコードのチョ・ジョンヒ代表弁護士は、「裁判所で継続中の事件に対する立法権の乱用だ。結局、社会的な妥協を通じて解決すべき問題だった」と述べた。

 韓国メディア「ヘラルド経済新聞」によると、最高裁は1日、タダの核心事業モデルである「タダベーシック」が旅客自動車運輸法違反ではないと判断した。タダベーシックは、当時認められていた「運転者付きレンタカー」という判断だ。裁判所は運営会社のVCNCが、ソカーから11人乗りワゴン車を借りて運転手付きで顧客にレンタルする「超短期ワゴン車賃貸借契約」と見た。これを明示したタダの利用約款は、「契約自由の原則上有効」とし、「それにともなう法律効果が付与されるのが妥当」と判断した。

 また「タダのサービスが、カカオタクシーなどと類似しているという理由で、実質的に旅客自動車運輸事業を営んできたとは見られない」とし、「レンタカー業者が運転手付きで自動車をレンタルするのは適切な営業形態として定着している。タダはこのようなサービスに、通信技術を融合させたもの」と結論づけた。

 宣告後、ソカーのイ・ジェウン前代表は「革新には、罪がないことが最高裁で最終確認された」として、「4年という長い時間の戦いの末に、革新は無罪であることが、持続的に最終的に確認された。しかし、これまで革新が恐ろしいと、既得権の側に立った政治家たちは、法を変えて革新をだめにした」と述べた。

 これに対して毎日経済新聞は2日付の社説で、「タダ禁止法を可決し、革新を殺した議員たちは恥ずかしさを感じ、経営者に謝罪すべきだ」と批判した。

 文化日報も同日の社説で、「時代の変化を抑えることはできない。変化をどのように受け入れるかが課題だ。政府と国会は反革新規制で、第2のタダ事態をおこすような過ちを繰り返してはならない」と主張した。
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