日本ではおなじみの高級車、クラウンは1955年にトヨタ初の量産型モデルとして発売され、69年にわたって同じブランドで16世代を続いてきた伝統モデル。英語で王冠を意味する車名は豊田章男会長の祖父で、創業者の故・豊田喜一郎氏自らが命名した。日本では「元祖社長の車」と呼ばれ、セダンの代名詞でもあった。
第16代クラウンは、昨年2月に初めて公開され、クロスオーバー、セダン、スポーツ、エステートの4タイプある。このうち韓国で発売されるクラウンは2.5リットル・ハイブリッド(HEV)と2.4リットル・デュアルブースハイブリッドの2種類。価格は5000万ウォン(約535万円)台で、クラウンに近いとされる現代自動車の「グレンジャー」ハイブリッドより1000万ウォン以上高い価格設定となっている。朝鮮日報は「トヨタの強みである『ハイブリッド』を前面に打ち出し、韓国市場で勝負する狙いだ」と伝えた。
5日にソウル市内で開催された新型クラウンの発売記念イベントで、韓国トヨタの今山学社長は「韓国で販売されるクラウンのハイブリッドモデルは、セダンとSUVの双方の強みを生かしたモデルだ」と説明した。カン・デファン常務は「ハイブリッド=燃費という概念を打ち破り、走行感を感じさせてくれる車だ」とPRした。
2.4リットル・デュアルブースハイブリッドは韓国内では100台限定販売となるが、オンラインでこの日のイベントに参加した本間裕二プロジェクトゼネラルマネージャーは「燃費と効率性を共に追及する顧客、多様なスペックと高級性能を要求する顧客がおり、100台に限定して多くの仕様を見せようとした」と話した。
韓国でトヨタ車はレクサスが2001年、カムリが2009年ころに発売された。クラウンについてハンギョレ新聞は「実際のところクラウンは今回、韓国の地を初めて踏むわけではない」とし、「まだ韓国が独自の製造技術を備える前の1969年、シンジン(新進)自動車(韓国GMの前身)が第2~4世代のクラウンの部品を搬入し、組み立てる技術提携・ライセンス契約を締結し、韓国国内で生産したことがある。1974年にトヨタが技術提携を撤回し、韓国国内からクラウンは消えた」と解説した。
韓国輸入車協会によると、昨年のトヨタ、ホンダなど日本車の韓国での販売台数は1万6991台で、2007年以降、最少だった。しかし、今年に入って持ち直しているという。5月の輸入車のブランド別新規登録台数はメルセデス・ベンツが6292台でトップ。これにBMW(6036台)、ボルボ(1502台)、ポルシェ(1005台)の順で続き、レクサスは5位(974台)、トヨタは9位(629台)だった。
今回、クラウンの上陸で韓国内における輸入車の勢力図に変化が生じることになるのか注目される。
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