ハリス の最新ニュースまとめ
在韓米軍の兵士、トラビス・キング2等兵(23)は、JSAで見学ツアーに参加中に無許可で軍事境界線を越え、北朝鮮に越境した。外国人が北朝鮮に無許可で越境するのは異例。目的はわかっていないが、韓国メディアは、この兵士が韓国国内でトラブルを起こし、米国に送還される際に空港から抜け出してJSAに向かったと伝えている。聯合ニュースは兵士が越境前にJSAで見学ツアーに参加していたことから、「JSAの見学は事前の申し込みが必要なため、あらかじめ北朝鮮に渡る準備をしていた可能性があるとの見方も出ている」と報じている。
事件の影響により、板門店で予定されていた行事が相次いで中止になった。聯合ニュースによると、韓国宗教指導者協議会は韓国7大宗教団体の指導者らと板門店を訪れ、朝鮮半島の非核化と平和を祈願する行事を21日に開催する予定だったが、中止したという。また、兵士も参加していたJSAの見学ツアーは、新型コロナウイルスの影響でしばらく休止となっていたものの、その後再開され、最近は週4日、1日約6回実施されていたが、再び休止になるなど影響が及んでいる。
国連軍司令部のアンドリュー・ハリソン副司令官は24日、「最も重要なことは、兵士の安全だ」とした上で、北朝鮮と協議を行っていることを明らかにした。やりとりの詳細や兵士の安否については言及を避けたが、「事件がどう帰結するかは誰にもわからないが、個人的には肯定的にみている」と述べた。
ハリソン氏は「休戦協定にもとづいて国連軍司令部と北朝鮮との意思疎通のラインがつながるメカニズムがある。現在、そのメカニズムが稼働している」と述べた。ハリス氏が言及した「意思疎通のライン」とは北朝鮮との直通電話機「ピンクフォン」を指すものとみられる。
国連司令部と北朝鮮軍との直通電話は、北朝鮮が朝鮮戦争休戦協定の無効を宣言していた2013年以降、途絶えていたが、2018年7月、南北と米朝の緊張が緩和したことを受け、5年ぶりに再開された。電話機はピンク色をしていることから、「ピンクフォン」と呼ばれており、2020年2月、国連司令部はフェイスブックで「ピンクフォン」の写真を公開した。
北朝鮮は2020年6月、南北当局間の通信連絡線や南北軍部間の通信連絡線、南北通信テスト用の連絡線、それに北朝鮮の朝鮮労働党中央委員会本部庁舎と韓国大統領府間の直通通信連絡線(ホットライン)を完全に遮断すると宣言。しかし、こうした状況下でも国連軍司令部との「ピンクフォン」は維持された。
「ピンクフォン」ではこれまで、朝鮮戦争の戦死者の遺骨発掘や非武装地帯(DMZ)内の地雷除去などについてやりとりがされてきた。また、海外メディアの報道によると、国連軍司令部の将校の中には、「ピンクフォン」で北朝鮮軍の兵士と米大リーグや恋人について話した将校もいるという。
国連司令部と北朝鮮軍は、業務開始時と業務終了時の1日2回、直通電話が正常に作動しているか確認するための応答を行っているとされ、今回の事件に関する交渉はこの電話を通じて行われているとみられる。
しかし、交渉がスムーズに進むかは不透明だが、英国の公共放送BBCは、この電話に「北朝鮮側がいつも出るわけではない」と懸念しつつも、「北朝鮮ではここ数年、たびたび米国人が不法入国しているが、犯罪行為で有罪とされた場合を除いて、半年以内に解放されている」と指摘。韓国の専門家からは北朝鮮が兵士の身柄をめぐって「人質外交」を展開する可能性もあるとの見方も出ているが、BBCは「一部の専門家らは、米朝の関係が緊張状態にあり、二国間協議も行き詰っていることから、北朝鮮がキング2等兵を拘束し続けても得るものはあまりないと考えている」と伝えた。
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