リュ・ジン の最新ニュースまとめ
全経連は韓国を代表する経済団体で、日本の経団連に相当する。パク・チョンヒ(朴正熙)政権時の1961年、サムスングループの創業者、イ・ビョンチョル氏が主導して「韓国経済人協会」という名称で発足した。その後、会員企業が増えて全国規模の団体になったことから、1968年に現在の名称に変更された。
日本の経団連との交流も盛んで、両団体は親睦を図る目的で1982年に日韓財界会議を開催。翌年から毎年定例で行ってきたが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で2020年と2021年は開催が見送られ、昨年7月、3年ぶりに復活した。
日韓最大の懸案だった元徴用工訴訟問題で今年3月、韓国政府が解決策を示して以降、それまで冷え込んでいた日韓関係は急速に改善に向かった。両団体の交流も一層活発になり、同月には、未来志向の日韓関係構築に向け共同事業を行うための「未来パートナーシップ基金」の創設を発表した。基金は経団連と全経連の双方が1億円ずつ拠出して日本と韓国それぞれに立ち上げるという。基金の共同事業のうち、産業分野では経済安全保障の強化のほか、自由で開かれた国際秩序の維持・強化、GX(グリーントランスフォーメーション)の実現、スタートアップ(新興企業)の連携やエンターテインメント・コンテンツ産業の振興などを進める。若者交流では、インターンシップ(就業体験)や大学の連携、韓国の高校教員の招へいなどを検討するとしている。
全経連が韓国を代表する経済団体でありながら、サムスンをはじめ、LG、SK、現代自動車といった大企業が現在は加盟していない。2016年に発覚した朴槿恵元大統領の友人による国政介入事件の捜査の過程で、全経連がサムスンをはじめとする複数の財閥から巨額の資金を集め、この友人が実質支配していた財団などに渡していたことが明らかになり、前述の4社などは相次いで全経連を脱退した。全経連は当時、会費の70%以上を失ったとされ、財界での地位は低下。一時は解体するのではともささやかれた。
今年2月に開かれた全経連の定期総会では、2011年2月から会長を務めていたホ・チャンス氏の後任の会長を選出できず、結局、企業人ではない政治学者で、大統領府政策室長、副首相なども歴任したキム・ビョンジュン氏が「会長職務代行」として就任した。全経連トップが企業人ではないのは初めてのことだった。全経連ではそれまで長年にわたってホ氏の後任者が見つからず、ホ氏の留任が続いていた。会長職は事実上、空席となっていたが、今月22日の臨時総会で、防衛関連企業のプンサン(豊山)グループのリュ・ジン(柳津)会長が次期会長に選出される見込みとなった。
その全経連にサムスングループが再加盟する見通しとなった。韓国の公共放送、KBSなど複数の現地メディアが報じた。全経連は先月、サムスンなど韓国の主要4大グループに対し、再加盟を要請した。これを受け、サムスングループのガバナンスが適切に行われているかをチェックする外部委員らによる監視機関「サムスン違法監視委員会」は18日、臨時の会議を開き、サムスングループが全経連から再加盟を求められていることに関して協議した。終了後、報道陣の取材に応じた監視委のイ・チャンヒ委員長は「全経連への加盟を決めたとしても、政経の癒着があった場合には、即時に退会することなどを勧告した」と話した。サムスン電子をはじめとするグループ5社は近く取締役会を開いて最終決定する。
今後、サムスンのほか、ほかの4大財閥のSKグループや現代自動車グループ、LGグループも全経連復帰に向けた動きを見せることが予想される。
全経連は傘下の研究機関の韓国経済研究院と合併し、シンクタンク型の経済団体「韓国経済人協会(韓経協)」として再スタートすることや、政治権力との癒着防止などを柱とする改革案を今年5月に発表している。その際、金会長職務代行は「政府との関係を重視し、会長・事務局中心に運営された過去の役割と慣行を痛烈に反省する」と述べ、再生を誓った。
新生「韓経協(現・全経連)」が今後、どのような組織となるのか注目される。
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