サルモン氏は「北朝鮮は国際社会に対する障壁を引き続き強化している。開発、人権、平和を取り扱う多国間組織に対する障壁を拡大している」と指摘。信頼に値する情報が北朝鮮内から得られないことも問題だとしながら、「北朝鮮での実際の出来事に対する情報の出所を最大限増やすこと」が急務だと述べた。情報を確保し、各国政府と国際機関が共有する必要性を説くとともに、そのためには何より協力が重要だと訴えた。
同氏は「世界のどこであれ貧困終息は持続可能な発展の第一目標ながら、北朝鮮は衣食住自体が十分でない」と懸念し、北朝鮮のコッチェビ(ストリートチルドレン)問題などは窃盗がはびこっていることを示すもので、人々が腹を空かせているからだと指摘した。
北朝鮮の社会問題として食料の不足と不平等な分配、医薬品の不足、適切で安全な居住施設の不足などを列挙。特に女性や少女の生活改善が急がれるとした。女性に対する暴力の根絶など、虐待や剥奪を受ける人たちを社会的、制度的に守る方策を講じなければならないとし、創意をもって新たな可能性を探るよう呼び掛けた。
サルモン氏は昨年8月の特別報告者就任後、これが3回目の訪韓。韓国政府関係者や脱北者らとの面会結果を基に北朝鮮の人権状況をまとめ、10月の国連総会で報告する予定だ。
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