手術室への監視カメラ設置が義務付けられる=(聯合ニュースTV)
手術室への監視カメラ設置が義務付けられる=(聯合ニュースTV)
【ソウル聯合ニュース】韓国保健福祉部は22日、病院の手術室内への監視カメラ設置を義務付けた改正医療法が25日に施行されると発表した。

 改正法は、麻酔などにより意識のない患者の手術を行う医療機関に対し、手術室に高画質(HD)以上の性能を持つ監視カメラを設置することを義務付けている。手術を受ける患者や保護者の要請があれば手術の場面を撮影し、その映像を最低30日間保存する必要がある。

 監視カメラの設置・撮影義務に違反した場合は500万ウォン(約55万円)以下の罰金が科される。また、違反した医療機関に対し、保健福祉部長官や自治体首長が是正命令を出せる。

 ただ、医療機関側は▼緊急手術▼患者の命を救うため積極的な措置が必要なハイリスクの手術▼研修医の習熟という目的を阻害する恐れがある場合▼手術直前に撮影を要求した場合――などについては撮影を拒否できる。

 撮影した映像の閲覧と提供は、捜査や裁判のため関係機関が要請した場合、韓国医療紛争調停仲裁院が業務のために要請した場合、患者と手術に参加した医療関係者全員が同意した場合に限り可能だ。映像を任意に提供したり流出させたりした場合は5年以下の懲役または5000万ウォン以下の罰金刑に処される可能性がある。

 改正法を巡っては、医療界、患者団体とも自らの権利を十分に反映していないと不満を示している。

 大韓医師協会と大韓病院協会は今月5日、改正法が医療関係者の職業遂行の自由や人格権などの基本権を侵害する恐れがあるとして、違憲かどうかの判断を求める訴訟を憲法裁判所に起こした。

 一方、韓国患者団体連合会は同7日に声明を出し、撮影を拒否できる例外を幅広く認め、映像の保存期間を最低30日と短くしたことで患者が不利になっていると指摘した。


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