来年からモバイルウォレットサービス「サムスンペイ」を通してモバイルIDが即時発行されて使用できるようになる。

行政安全部は9日、来年初めからサムスン電子のスマートフォンセキュリティ領域を活用し、モバイルID 2種(モバイル運転免許証、国家報勲登録証)を対象に新たな融合サービスを開始すると明らかにした。

モバイルIDは、政府が今年4月に発表した「デジタルプラットフォーム政府実現計画」の核となる課題で、IDの種類拡大だけでなく、民間と組んで国民の日常に新たな価値を創出するために推進されている。

行安部はサムスン電子と組みグローバルスマートフォンメーカーだけが開発可能なハードウェア基盤の強力なセキュリティソリューションを通じて、モバイルIDを様々な民間アプリで便利かつ安全に使用できる共通基盤を構築中だ。

現在、モバイルIDデータはハードウェア上のセキュリティ領域ではなく一般的なアプリ領域を通じて提供されており、データを複数のアプリで使用するのが難しい。今回構築するモバイルIDデータは、サムスン電子スマートフォンに組み込まれたアプリケーションプロセッサ(AP)チップセット内のセキュリティストレージスペース(Trust Zone)に安全に保管される。モバイルIDを発行して利用する過程で、外部の侵入や悪性プログラムなど悪意のある脅威が根本的に遮断され、様々な民間アプリで安全かつ便利に利用できる基盤を提供できるようになる。

まず、来年初めからサムスンペイを通じてモバイル運転免許証と国家報勲登録証の2種のモバイルIDのサービスを試験的に行う予定だ。行安部は、国民が日常生活で使用する多様な民間アプリでもモバイルIDを利用できるように段階的に拡散する計画だ。これにより、国民は政府発行のIDアプリをインストールしていなくても使い勝手のよい民間アプリでモバイルIDを即時発行で使用できるようになる。発行されたIDに企業の創意と革新が加わり、身元確認が必要なすべてのオン・オフラインサービスで新しいビジネスモデルを作っていくことが期待される。

これについてイ・サンミン行安部長官は6日、モバイルID民間開放のための「行政安全部-サムスン電子」間で了解覚書(MOU)を締結した。今回の協定を通じて、サムスン電子スマートフォンのセキュリティ領域を活用したモバイルID共通基盤の構築と、多様な民間アプリへの開放と利用活性化のための相互協力を図る計画だ。

イ長官は締結式で「今回のサムスン電子との協約を通じてモバイルID民間開放を迅速に推進し、デジタルプラットフォーム政府として便利になった日常を国民が体感することになるだろう」と話した。

締結式に続き、世界最大規模のサムスン電子ピョンテク(平沢)キャンパスの半導体生産工程を見学して防災センターを訪問し、火災対応など安全管理の現況も聞いた。イ長官は「半導体産業現場の安全は、国家経済はもちろん、世界経済にも影響を及ぼす」とし「国民の安全のために事業場の安全管理を徹底し、緊急時に迅速に対処してほしい」と関係者らに要請した。
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