新政権が国連人権理事会で北朝鮮の人権改善を求めたことは、新政権の北朝鮮政策としては最初の行動といえるが、それから4日目に北朝鮮は祖国平和統一委員会による報道官談話を出し、「南北関係を対決に追い込む反民族的な妄言」と強く反発した。この談話は、李大統領の当選後に北朝鮮が直接・間接的に新政権を狙って示したさまざまな反応のなかでも最も強硬なレベルだ。
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しかし、南北関係がただちに破局に陥るわけではないとの観測がある。北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)総書記も先月訪朝した中国共産党の王家瑞・対外連絡部長と会った席で、韓国の政権交代などについて「もう少し見守る」との立場を明らかにしていることから、新政権との関係断絶まではつながらないとの分析だ。
北朝鮮専門家で東国大学教授の高有煥(コ・ユファン)教授は、「北朝鮮の談話は、完全に南北関係の場を壊すというよりは事前警告の意味合いが大きいようだ」と分析した。新政権の北朝鮮政策が公式的にまとまり対北朝鮮ラインが整ってから、北朝鮮もこれに応じ韓国に対する政策をまとめることができるとの見方を示している。統一研究院の徐載鎮(ソ・ジェジン)研究委員も、北朝鮮が南北会談を拒否するような破局的な状況には流れないとみる。今後は北朝鮮も韓国の北朝鮮政策に適応していくというもので、今回の談話もこの過程のひとつだと診断した。
一方で、南北関係が揺らぐ兆しがあちこちで感知され始めており、北朝鮮の反発が悪化する可能性も否定できない。最近、北朝鮮は海岸砲発射訓練を実施したり、北朝鮮の名勝地総合開発指導局が韓国側民間支援団体に対し金剛山・開城地域の訪問中断を通知したりしている。
ハンナラ党の鄭亨根(チョン・ヒョングン)最高委員は、「北朝鮮特有の自尊心外交から見る場合、新政権をそれなりに大様に眺めているというのに、新政権が外交軍事的に挑発していると判断、韓国への挑発に備え名分を積み重ねるものと疑われる」と分析した。高麗大学・アジア問題研究所の金錬鉄(キム・ヨンチョル)研究教授は、2004年に南北関係が中断された時も脱北者の大規模入国や弔問不許可などの悪材料が重なり、1年間の膠着(こうちゃく)局面にあったとした上で、「今回の発言はすぐには南北関係の断絶につながらないだろうが、今から管理していく必要がある」と指摘した。
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