ロシア政府は、韓国政府の責任のもとで搭乗者が交代しただけだと表明した以外は、一切の言及を避けている。交代発表の記者会見を10日に開いた韓国の教育科学技術部は、「コさんが昨年9月中旬に、外部搬出が禁止された訓練機材を自分のほかの荷物と一緒に韓国に持ち出し、後で返却した。今年2月下旬には、自分の教育・任務と関連のない宇宙船操縦関連の機材をロシアの同僚を通じ任意に借りて使用した」と説明した。コさんが訓練規定を繰り返し違反したことからロシア連邦宇宙局が韓国に搭乗者の変更を要請し、韓国がこれを受け入れたとした。
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コさんの規定違反は、搭乗者を交代するほど重大なものだったのだだろうか。これに関し韓国航空宇宙研究院側は、ロシア連邦宇宙局が「宇宙ではほんの小さなミスや指示違反も深刻な結果を招くことがあり、特に複数国が共同運営する国際宇宙ステーション(ISS)では徹底した規定順守が非常に重要」との点を強調したと伝えた。コさんとイさんは宇宙センター入りする際に規定順守の誓約をし、昨年9月にコさんの教材搬出が摘発された時も改めて規定を周知させたにもかかわらず、コさんがまた違反したために取られた措置だとする。
一方、モスクワの消息筋は、宇宙船打ち上げのわずか1か月前にロシア側が異例的に搭乗者交代を要求したのは、規定違反行為が宇宙科学技術情報の流出につながると懸念したためだと分析する。コさんが搬出した教材の内容は明らかにされていないが、宇宙適応と宇宙船運用に関する教材だった場合、ロシア側がこれを見過ごすはずはない。ましてやコさんは、船長とエンジニア、宇宙実験の専門家からなる3人の搭乗チームメンバーのうち、ISSで18種類の宇宙科学実験を行う宇宙実験の専門家だ。
1万8000倍という競争率をくぐり抜け宇宙飛行士候補となったコさんが、なぜこのような規定を熟知せず、それも1回ではなく違反を繰り返し、「韓国初の宇宙飛行士」という名誉を失うことになったか、依然として疑問が残る。
搭乗者交代により、来月8日にソユーズに乗り込み宇宙を羽ばたく韓国初の宇宙飛行士は女性となる見通しだ。韓国は女性宇宙飛行士を送り出す7番目の国に、イさんは世界で50人目の女性飛行士となる。
イさんは1月に英国の宇宙航空専門誌「スペース・フライト」のインタビューに応じている。予備チームながら搭乗チームと同じ訓練をしていることに感謝する、プレッシャーなくあらゆるプロセスを楽しめて良いとする一方で、「宇宙に行くチャンスがあるという希望を持ち続けている」と語った。また、自分を3つの単語で表現してほしいと言われると、「クレージー(仕事に対する情熱)」「セクシー(女性の心)」「クール(さっぱりとした性格)」と答えた。
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