「メルセデス・マイバッハGLS600」とみられる車から降りる金正恩氏(中央)=(朝鮮中央テレビ=聯合ニュース)≪転載・転用禁止≫
「メルセデス・マイバッハGLS600」とみられる車から降りる金正恩氏(中央)=(朝鮮中央テレビ=聯合ニュース)≪転載・転用禁止≫
【ソウル聯合ニュース】ドイツの高級車メーカー、メルセデス・ベンツの車を愛用していることで知られる北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長(朝鮮労働党総書記)が、同社の新車に乗っていることが18日までに分かった。

 北朝鮮の朝鮮中央テレビが15日に放送した記録映画「偉大なる転換、勝利と変革の2023年」では、正恩氏が新しい専用車とみられる黒い多目的スポーツ車(SUV)から降りる姿が捉えられた。

 この車は、ベンツが生産するSUVのうち最上級ランクのGLSにベンツの上位ブランドであるマイバッハの名を冠して発売した「メルセデス・マイバッハGLS600」と推定され、韓国での販売価格は2億6000万ウォン(約2860万円)台からとなっている。

 車の右側後部のドアには国務委員長のマークが刻まれ、正恩氏の車であることを示している。

 正恩氏をはじめとする北朝鮮指導部は近ごろ、公開行事にベンツの新車に乗って現れ、高額車両の北朝鮮への持ち込みを禁じた国連安全保障理事会の対北朝鮮制裁決議をものともしない姿を見せている。

 昨年12月8日に「全国オモニ(お母さん)大会」に出席した正恩氏は、マイバッハSクラスの初代セダンで登場。同月20日に大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射実験に参加した関係者を激励した際には、マイバッハSクラスのリムジンに乗っていた。

 また、同月27日に朝鮮中央テレビで放送された党中央委員会第8期第8回総会のニュースでは、金徳訓(キム・ドクフン)首相、趙甬元(チョ・ヨンウォン)党書記、崔竜海(チェ・リョンヘ)最高人民会議常任委員長ら高官クラスがそれぞれベンツのSクラスに乗って会場に到着した。

 これまでに確認されたベンツはセダンが中心だったが、今回はSUVも確認され、北朝鮮が制裁の影響を受けずに高価な品物を気兼ねなく持ち込んでいることがうかがえる。

 正恩氏はこれまで、トヨタ自動車の高級車ブランド、レクサスのSUVを主に利用していた。

 20年8月に水害の被災地を視察した際には、レクサスLX570とみられる車の運転席から身を乗り出す正恩氏の姿が捉えられた。

 道路事情が比較的良好な平壌などではセダンを使い、地方を訪れる際にはSUVを選んでいるようだ。 


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