「月1万7千ウォン、ネットフリックスの方が安い」…韓国で映画館の利用が半減
「月1万7千ウォン、ネットフリックスの方が安い」…韓国で映画館の利用が半減
韓国ではOTT(オンライン動画サービス)の急成長で、映画館の利用が半減しているという。韓国の映画振興委員会は20日、「2023年韓国映画産業決算報告書」を発表した。報告書によると、韓国内の映画館はコロナ禍以前の姿を取り戻せず、むしろ後退して大きく売上が下がったことが分かった。

 2023年の映画館全体の売上高は1兆2614億ウォン(約1418億円)で、2019年(1兆9140億ウォン=約2153億円)の65.9%水準に過ぎなかった。2022~2023年は2年連続で年間売上高1兆ウォンを超え好調だったが、コロナ禍以前の水準を回復できていない。

 映画館の危機兆候は、低調な売上だけではない。映画館を利用する頻度も半減した。2023年時点で1人当たりの映画館訪問回数は2.44回だった。2019年(4.4回)と比べると45%減少した。

 一方、韓国のOTT業界は「活況」を呈し、利用者数が着実に増加している。14日、アプリ・リテール分析サービス「WiseApp-Retail-Goods」が発表した2024年1月のOTTアプリの純使用者数は2006万人で、2023年1月(1876万人)より6.9%増えた。

 特に、代表的なOTTであるネットフリックスは、新型コロナのパンデミック前後で急成長を見せている。ネットフリックスの月間利用者数(アンドロイド基準)は、2019年1月から2024年1月の間に爆発的に増加した。ビッグデータ分析プラットフォームのモバイルインデックスによると、2019年1月のネットフリックスの月間利用者数は約135万人だったが、2024年1月には814万人に成長した。5年の間に6倍以上増えた。

 OTTが優勢な背景には、価格競争力と利便性があるというのが業界の説明だ。1万5000ウォン(約1687円)前後で形成された映画館のチケット価格と比較して、OTTの価格競争力が相当高いということだ。OTTは「毎月映画1本分」(最高料金プラン基準1万7000ウォン=約1912円)でさまざまな作品が楽しめる。これに攻勢をかける各OTTのオリジナル作品まで考えると、価格だけでは映画館が競争力を持つことは難しい。また、上映時間と場所を考慮せず、いつでも個人のデバイスで楽しめる利便性もOTTの強みとして評価されている。
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