安保理の北朝鮮専門家パネル任期延長、ロシアの拒否で否決…韓国政府が深い遺憾の意を表明
安保理の北朝鮮専門家パネル任期延長、ロシアの拒否で否決…韓国政府が深い遺憾の意を表明
国連安全保障理事会(安保理)は28日、北朝鮮に対する制裁違反の監視を担う専門家パネルの任期延長について、決議案を採決した。しかし、ロシアが拒否権を行使し、案は否決された。国際社会の信頼を損なうロシアの行動に対して、韓国政府が強い遺憾の意を示した。

 決議案の可決には、15か国の理事国中9か国以上の賛成と、米国、中国、ロシア、英国、フランスの常任理事国のいずれもが拒否権を行使しないことが必要だ。今回の採決では、13か国が賛成し、1か国が棄権、ロシアが拒否権を行使した。そのため、決議案が否決され、専門家パネルの任期は4月30日に終了することになった。

 韓国外務省は同日、報道官名義の声明を出し、「韓国政府は28日午前(ニューヨーク時間)、対北朝鮮制裁決議の履行を監督する安保理北朝鮮制裁委傘下の専門家パネルの任務延長決議が、韓国を含む大多数の理事国の圧倒的賛成にもかかわらず、ロシアの拒否権(veto)行使で否決されたことに対して深い遺憾を表明する」と明らかにした。

 韓国政府は「北朝鮮はこれまで多数の安保理決議を露骨に無視しながら、核・ミサイルで挑発。違法的な武器輸出や労働者の送出、ハッキングによる資金奪取、ロシアとの軍事協力など制裁違反を続けてきた。また、これを通じて核・ミサイル能力を高度化してきたが、専門家パネルは、そのような北朝鮮を監視する役割を果たしてきた」と説明した。

 続いて、「国連の対北朝鮮制裁履行モニタリング機能がさらに強化されなければならない時点で、安保理常任理事国であるロシアが安保理理事国の総意に逆行しながら自ら擁護してきた国連の制裁レジームや、安保理に対する国際社会の信頼を大きく傷つける無責任な行動を取った。韓国政府は、その点を明確に指摘する」と述べた。

 また、「韓国政府は、今回の安保理表決で現れた大多数の理事国の意志に基づき、北朝鮮が安保理決議の違反行為を中断し非核化の道に復帰するよう、これまでの安保理対北制裁レジームを堅固に維持しながら、その厳格な履行のために国際社会と緊密に協力していく」と付け加えた。

 安保理の対北朝鮮制裁委専門家パネルは、2009年に北朝鮮が2回目の核実験を実施したことを受けて設立。安保理常任理事国派遣専門家を含む専門家8人で構成されている。専門家パネルは、北朝鮮の制裁違反の疑い事例を調査し、対北朝鮮制裁履行違反に関する深層報告書を毎年2回提出してきた。
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