朝鮮中央通信は、「核の引き金」と呼ぶ国家核武器総合管理システムにおいて超大型放射砲を運用する訓練を初めて実施したと伝えながら「敵に送る明確な警告の信号」だとした。北朝鮮は昨年3月にも核反撃を想定した総合戦術訓練を実施しているが、この時は「核の引き金」には言及していなかった。
同通信は訓練を実施した背景として、韓米が実施中の連合編隊軍総合訓練と18日に実施した連合空中訓練を挙げ、「わが共和国(北朝鮮)を力で圧殺しようとする敵対勢力の軍事的な挑発」と非難した。
訓練は国家最大の核危機事態に関する警報発令時を想定し、部隊の核反撃態勢履行手順の熟達に向けた実動訓練と核反撃指揮システムの稼働演習、核模擬弾頭を搭載した超大型放射砲の射撃の順で進行された。
北朝鮮が公開した写真には、移動式発射台4台からそれぞれ超大型放射砲を発射する様子が写っている。352キロ先の島に設定した標的に命中したという。
平壌から350キロ前後なら、韓国の陸・海・空軍の本部がある中部の鶏竜台、韓米が訓練を実施している南西部の群山にも届く。北朝鮮の超大型放射砲は、韓米の情報当局が「KN25」と呼ぶ短距離弾道ミサイルで、射程は400キロ。事実上、韓国を狙った兵器といえる。
金正恩氏は超大型放射砲の精度の高さを評価。訓練に成果があったとし、「戦術核攻撃の運用空間を拡張し、多重化を実現する」という党中央の核武力建設構想が現実のものになったと満足感を示した。また「超大型放射砲まで引き入れたわが核戦闘武力の威力と効用性は増大」したとも述べ、戦術核弾頭の搭載が可能であることを示唆した。
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