農産物流通情報(KAMIS)によると、先月25日時点の乾海苔(中品、10枚)の価格は1304ウォン(約148円)に突入した。その後、30日には1333ウォン(約151円)まで上がったが、2日時点では1270ウォン(約144円)で取引されている。昨年の同じ期間の乾海苔の価格は1017ウォン(約115円)で、平年は923ウォン(約105円)と1000ウォン(約113円)にも満たなかっただけに、最近の海苔の価格は海苔巻きなどの外食物価の上昇傾向も相まって連日注目を集めている。
これに対して海洋水産部は先月25日、海苔養殖場2700ヘクタールの新規開発を含め、各種の海苔需給安定化方案を発表している。7月までに新規の養殖場を開発し、10月からの生産を目標にすることはもちろん、農作物のように「契約栽培」方式を導入して長期的に需給と価格を調節する方法についても検討している。
特に海苔の輸出需要が続くことが予想されている中で、海水温の上昇など気候変化は構造的な危機として捉えられている。海苔の生産高で日本や中国など他国を大差で引き離して1位を占めている韓国だが、長期的な生産および需給の安定化のためには、海苔もアワビやヒラメなどの他の養殖品と同様に気候変動に抵抗性を持った品種の開発が急務になっている。
海水部傘下の国立水産科学院は、2008年から国産海苔の品種開発を続けてきた。海苔巻き用海苔などに使われ、韓国海苔の養殖生産量の大半を占めている「速成長放射模様海苔」はもちろん、コプチャン海苔として有名な「イッパディ岩海苔」など全て国立水産科学院の研究結果だ。これまで国立水産科学院では合計19種の品種を開発したが、これは約60年にわたり17品種を開発した日本に比べはるかに速いペースだ。海苔種子の自給率もやはり2012年以前は20%水準だったのが、現在は95%にまで上がってきている。
しかし最近、気候変動による海水温上昇にともない、新たな海苔の品種開発に対する要求が高まっている。海苔はワカメや昆布などとともに寒流性海草に属し、高い海水温に弱い。これに対して、国立水産科学院では環境変化に適応し、高い海水温下でもよく育つ海苔の品種の開発を進めている。現在、実験室内で培養が行われている段階で、開発中の品種は自然環境で現場検証を経た後に普及される予定だ。
また、地域別の環境に合わせた品種選抜のための試験も行われている。プサン(釜山)やインチョン(仁川)、チュンチョンナムド(忠清南道)などの各自治体は、国立水産科学院が開発したさまざまな海苔の品種のうち、地域環境に適した品種を選抜するために試験を進めている。2020年から日本市場に合わせた海苔を開発してきた釜山は、近く地域ブランドとしてこの海苔を市場に売り出す予定だ。
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