17日仁川市チュン(中)区によると、中区ハン(港)洞7街にある608世帯規模の15階建てのマンションは精密安全検査が不合格だったため今月5日からエレベーター24基の運行を全て中断した。きょうまで10日以上エレベーターがストップしている。
問題はこのマンションの住民の30%が80代以上の高齢者だという点だ。13日までの9日間で2件の救助・救急通報が119に寄せられた。7日午前5時30分ごろ、マンション4階に住む80代の男性は意識障害を、12日には13階に住む80代の女性が呼吸困難の症状を訴えた。
特に昼間の気温が30度を超える厳しい暑さの中で住民らはエレベーターを利用できず階段で移動している。消防救急隊員らも移送時に火災鎮圧用のポンプ車と救急車が結合した車両を活用しているものの、階段の利用は避けられない。
しかし、エレベーターの運行再開は8月中旬になる見通しだ。地域区国会議員、仁川市中区、韓国昇降機安全公団などが部品の製造・設置業者に直接接触し迅速な措置を要請したものの、資材の受給・部品工事、安全検査が完了するまでに2か月を要すると予測した。
エレベーターの臨時使用も難しい状況だ。マンションの管理事務所は救急患者の発生時に一時的に稼働を考慮したものの、不法行為として規定されるため実際に行うのは難しいという。精密安全検査が不合格となったエレベーターを運行すれば、3年以下の懲役または3000万ウォン(約342万円)以下の罰金に処される。
政府は安全性が検証されていないエレベーターを運行し事故が発生する可能性を懸念している。また、ことし全国で安全検査の不合格判定を受けたエレベーターは数百台になるだけに、公平性を考慮すれば特定のマンションだけに臨時使用を許容することはできないとの立場だ。
特に、このマンションの入居者代表会は2021年に安全装置を設置する条件でエレベーターの使用を許可された。また、ことし1月には「4か月以内に安全部品を設置せよ」という要求も受けたものの、全て無視している。
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