韓国ギャラップは全国18歳以上の1000人を対象に、今月11~13日に世論調査を実施。ユン・ソギョル(尹錫悦)大統領を支持するかや、支持する政党などの質問と併せて、将来の政治指導者として誰がふさわしいかも聞いた。その結果、最も高い支持を集めたのは、最大野党「共に民主党」のイ・ジェミョン(李在明)代表で22%、これに、与党「国民の力」の前トップ、ハン・ドンフン(韓東勲)前非常対策委員長(15%)、新政党で、今年4月の総選挙で躍進した「祖国革新党」のチョ・グク(曺国)代表(5%)、南東部・テグ(大邱)市のホン・ジュンピョ市長、革新新党のイ・ジュンソク(李俊錫)代表(共に3%)、ソウル市の呉世勲市長(2%)の順で続いた。
さらに韓国ギャラップは、この6人を対象に今月18~20日にかけて好感度調査を実施。その結果、呉氏が36%で最も好感を集め、以下、曺氏(35%)、李在明氏(33%)、韓氏(31%)、ホン氏(30%)、李俊錫氏(27%)と続いた。
今回の調査で、好感度1位となった、韓国の首都・ソウルのトップ、呉市長とはどのような人物なのか。呉氏はソウル市出身の63歳。名門大学として知られるコリョ(高麗)大学を卒業後、弁護士となった。1994年に大企業を相手にしたマンションの日照権訴訟で、被告の建設会社から13億ウォン(現レートで約1億4900万円)の損害賠償を勝ち取り、一躍、注目されることとなった。主に、環境問題に取り組み、大韓弁護士協会環境問題研究委員会議員などを務めたほか、ラジオやテレビの法律相談番組の進行役としても活躍。端正な顔立ちと物腰の柔らかさから人気を博した。2000年に総選挙で、「国民の力」の前身であるハンナラ党から出馬し初当選。政界入りした。2006年に歴代最年少の45歳でソウル市長に選出。2010年に再選を果たすも、翌年、学校給食の無償化政策をめぐって市議会と対立し、任期途中で辞任した。その後、2016年と2020年の総選挙に出馬し落選したが、パク・ウォンスン(朴元淳)前ソウル市長の死去を受けて2021年4月に実施された市長選で当選を果たし、ソウル市長に返り咲いた。呉氏は2022年6月の統一地方選で再選を果たし、史上初の4選ソウル市長となった。
呉氏は現在、自身の肝いり事業である「グレート漢江(ハンガン)プロジェクト」を推進中だ。ソウルを流れる漢江の自然生態を守りつつ、漢江の利便性と魅力を高め、水辺の活力を漢江の都市空間にまで拡大させることで、ソウルの都市競争力を強化するというもの。世界最大規模の大観覧車や水上フードゾーンなどを整備する計画だ。
呉氏はプロジェクトを進める中で、東京都の都心開発政策にも関心を寄せており、昨年6月に東京を訪問。都心再開発や緑地造成の現場を視察したほか、小池百合子知事とも会談した。
前出の世論調査の結果にも表れているように、人気が高く、次期大統領候補として上位に名前が挙がる呉氏。韓国紙の東亜日報によると、呉氏は今月5日、同紙のインタビューに応じ、次期大統領選の出馬の可能性について「ソウル市にはやるべきことがたくさんあり、私の手で完成させたいことが多いというのが正直のところ」とする一方、「だからと言って国家的なことを疎かにすることはできないので、(大統領選出馬を)悩まないわけにはいかない」と含みを持たせた。
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