子供を5人産んで2人殺害…冷蔵庫に保管した母に「殺人罪」＝韓国

2023年6月29日、韓国で子供5人のうち2人を産んですぐに殺し、冷蔵庫に遺棄した母親に「乳児殺人罪」ではなく「殺人罪」が適用された。

　刑法251条の乳児殺害は、直系尊属が恥辱を隠ぺいするため、あるいは養育できないと予想したり、酌量するに足る動機によって分娩中または分娩直後の乳児を殺害した時に、10年以下の懲役に処すると規定している。

　2022年1月、全羅北道全州市の自宅で出産した赤ちゃんをトイレの便器の水の中に約30分間放置して殺害した20代の女性は、乳児殺害の疑いで起訴され、懲役3年、執行猶予5年を言い渡された。

　しかし、30代の実母A氏の犯行を見ると、分娩直後に精神的に不安定な状態の産婦が心配や恐怖、恐怖から赤ちゃんを殺害するという通常の乳児殺害事件とはかなり異なった。

　A氏は2018年11月、軍浦市のある病院で4人目の子供であり、最初の被害者である娘を出産した。

　その後、病院で安静にするなどの医療措置を受け、出産後数時間が経って退院し、赤ちゃんを連れて出て家に帰った。

　A氏は家で悩んだ末、生後1日になった娘を首を絞めて殺害した。
さらに、赤ちゃんの遺体を黒いビニール袋に入れて冷蔵庫に入れて遺棄した。

　娘を産んだ後、しばらく経ってから犯行を犯したのだ。

　翌年11月には2番目の被害者である息子を病院で産み、病院近くの駐車場で殺害したことが分かった。

　A氏には12歳の娘と10歳の息子、8歳の娘など3人の子供がいる状態だ。
すでに子供が3人もいる上、経済的困難に直面している状況の中、夫のB氏との間にまた子供ができたため、犯行に及んだことが分かった。

　A氏は今回もその遺体を冷蔵庫に入れ、警察に摘発されるまで自分の手で殺害した第4子と第5子の遺体を保管してきた。

　A氏に減刑要素がある「乳児殺害罪」が適用された事実が知らされ、法曹界など一部では憂慮の声が上がっていた。これに対し警察は内部会議を経てA氏が▲分娩後にある程度時間が経った状態で殺害しているため「分娩直後」とは言い難く▲経済的に育てられないほど困窮していたわけではないと判断し、殺人罪に変更した。

　A氏は事件を犯した2018～2019年を含め計3年間無職だったが、夫のB氏が会社に勤めていたため収入がないわけではなかった。

　A氏が警察に摘発された当時、住んでいた水原市長安区のマンションは、A氏の義父、すなわちB氏の父親の所有であることが分かった。

　A氏夫婦は昨年末、このマンションに引っ越したが、もし彼ら夫婦が一定金額の保証金や家賃を負担したとしても、家自体が家族の所有という点を考慮すれば、A氏が自分が産んだ赤ちゃんを2人も殺害しなければならないほど困窮した状態だったのかは疑問が残る。

　今回の事件は、保健福祉部に対する監査を行った監査院が、出産記録はあるが出生届は出なかった事例があるという事実を把握し、当局に通報したことで明らかになった。捜査依頼を受けた警察は、A氏の自宅を家宅捜索する過程で、冷蔵庫の中の黒いビニールの中にあった乳児の遺体2体を発見した。