◇ロ朝接近に懸念表明
北朝鮮とロシアが事実上の軍事同盟とされる条約を締結し、世界の安全保障上の危機が高まったことを受け、会談ではロ朝への対応に焦点が当てられた。
韓国大統領室によると、尹大統領は最初にドイツのショルツ首相と会談し、「インド太平洋地域の重要なパートナーであり、価値観を共有する韓国とドイツが2国間協力だけでなく、ウクライナ支援、供給網(サプライチェーン)の混乱、気候危機などの世界的な課題でより緊密に連携していくことを望む」とし、「さまざまなレベルで意思疎通や協力を進化させていきたい」と呼びかけた。
両首脳は北朝鮮とロシアが条約を締結し軍事・経済協力を強化していることに「厳重な懸念」を示し、国連安全保障理事会決議に反するロ朝の軍事協力に対し、国際社会と連携して断固として対応することで一致した。また、尹大統領はドイツが国連軍司令部への加盟を申請したことに歓迎の意を表し、「関連手続きが終わり次第、ドイツが加盟国として必要な役割を果たすことを期待する」と述べた。ドイツは韓国の文在寅(ムン・ジェイン)前政権時代、国連軍司令部への加盟を望んだが、文政権が拒否していた。大統領室高官は記者団に「今年初め、ドイツが再び国連軍司令部に加盟する意思を韓米に伝えた」として、「近く加盟が実現するとみている」と明らかにした。
尹大統領はカナダのトルドー首相との会談では外交・国防閣僚協議(2プラス2)を開催し、両国の安全保障協力を制度化して発展させていくことに期待を表明した。トルドー首相も「インド太平洋地域の重要パートナーである韓国との安全保障協力の強化のため、2プラス2などを通じて緊密に協力していきたい」と応じた。両首脳は防衛産業分野での互恵的な協力を検討していくことも確認した。
オランダのスホーフ首相との会談で、両首脳は北朝鮮の度重なる挑発やロ朝の軍事協力がインド太平洋と欧州の安全保障を深刻に脅かすとして、北朝鮮の非核化やロ朝の軍事協力への対応で緊密に連携することで一致した。
尹大統領は岸田首相との会談で、ロ朝が軍事的・経済的接近を加速させる動きは東アジアや世界の安全保障に「深刻な懸念」をもたらしていると指摘した。
◇原発・半導体協力でも議論
チェコ、オランダ、スウェーデン、フィンランドの4カ国とは原子力発電を巡る協力などについて議論した。
チェコの新規原発4基建設の入札結果が今月中に発表される予定で、韓国は同原発建設の受注を目指している。尹大統領はチェコのパベル大統領に対し、「韓国は世界最高の施工能力と圧倒的な価格競争力を持っている」として、「韓国が事業者に選ばれればチェコの原発分野の発展にも大きく寄与できると思う」と強調した。
オランダとフィンランドは新たな原発導入のための調査を進めており、スウェーデンも昨年8月に脱原発政策を廃棄し、2045年までに10基以上の原発導入を推進していることを踏まえ、3カ国との会談でも原発事業に関する協力強化を呼びかけた。
スウェーデンのクリステション首相との会談では重要鉱物の供給網協力が議題となった。スウェーデンでは昨年1月、約100万トンと推定されるレアアース(希土類)鉱床が発見され、重要鉱物の新たな供給先として注目されている。尹大統領は「両国関係が原発、防衛産業、重要鉱物などで一層強化されるよう協力したい」といい、クリステション首相は「防衛産業や原発などで互恵的なパートナーシップを強化できるよう積極的に協力する」と応じた。
オランダのスホーフ首相との会談では半導体分野で緊密な協力を続けるよう要請。スホーフ首相は「両国の半導体同盟、科学技術などの分野で実質的な成果が出るよう協力を強化していきたい」と述べた。
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