金融庁は25日、資金決済法改正に向けた金融審議会の作業部会(第1回)を開催した。デジタル化が進む金融サービスの多様化に対応し、利用者保護と健全な市場発展の両立を目指す。

作業部会では、暗号資産(仮想通貨)、ステーブルコインなどの「分散型金融」、キャッシュレス決済、フィンテックなど、急速に進化する金融ビジネスに対応した制度設計を検討していく。国際的な動向を踏まえつつ、日本の金融システムの安定性と競争力の確保を目指す方針だ。

特に注目されるのは、暗号資産交換業者に対する規制強化だ。2022年11月のFTX取引破綻の教訓を生かし、資金決済法の下でも国内資産保有命令を可能にする措置が検討されている。業者倒産時の利用者資産保護が強化される方針だ。

ステーブルコインについても、利用促進につながる議論が行われた。現在、特定の信託型ステーブルコインは銀行預金と同等の規制下にあるが、海外では裏付け資産の運用に柔軟性を持たせている例もある。日本でも規制の見直しが行われている。

ただし、暗号資産やステーブルコインには価格変動リスクやマネーロンダリングの懸念も指摘されている。一般ユーザーが既存の金融商品と混同するリスクもある。金融庁は、資金決済法改正に向けた議論において、利用者保護を重視しつつ、イノベーションを阻害しないバランスの取れたアプローチを目指している。

資金決済に関する法律(資金決済法)は2010年に施行され、電子マネーの規制、銀行以外の事業者による送金サービスの認可、銀行間決済制度の整備などを主な目的としていた。

その後、金融技術の進化に対応し、法律は段階的に改正されてきた。2017年には仮想通貨(後に「暗号資産」に名称変更)を新たな決済手段として定義し、暗号資産取引所を登録制とした。2023年の改正では、ステーブルコインを「電子決済手段」として規制対象に加え、国内発行を可能にした。

作業部会では、こうした資金決済を取り巻く環境の変化に対応し、より適切な規制の枠組みの構築を目指す。イノベーションの促進と利用者保護のバランスをどう取るかが注目される。日本経済新聞の報道によると、2025年1月の定例国会への改正案提出を視野に入れているという。
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