インタビューでポーズを取る水原保護観察所のイム・ソンテク武道実務官 (写真=イ・ヨンフン記者)
インタビューでポーズを取る水原保護観察所のイム・ソンテク武道実務官 (写真=イ・ヨンフン記者)
最近ネットフリックス映画「武道実務官」が人気を集めて注目されている武道実務官の実際の勤務条件が非常に劣悪であることが明らかになった。電子足輪を着用した犯罪履歴者を24時間監視する彼らの業務環境は、映画の中の姿と大きく変わらなかった。

法務部によると、全国170人の武道実務官が4270人の監視対象者の管理を行っている。単純計算で1人あたり25人を担当することになるが、地域によっては最大31人の管理を行わなければならない場合もある。24時間3交代で勤務し、対象者の突然の異常行動に備えて常に緊張状態を維持しなければならない。

インタビューに応じた11年目の武道実務官イム・ソンテクさんは「対象者が自殺すると脅迫し、酒瓶を割って飛びかかって来ることもあった」と語り、「対象者がいきなり暴言を吐いたり、凶器で乱暴を働くことも多い」と話した。

8日に法務部の国政監査に参考人として出席したキム・ドンウク武道実務官は「対象者がレンガを持って襲って来ても防御が難しい」と語り、「直接的な武力を行使してきた場合、告訴・告発につながりかねないので慎重な対応が求められる」と話した。

このように危険な状況にさらされているにもかかわらず、武道実務官に支給される保護装備は防護服と房後手袋だけだ。キム実務官は「最小限の身体保護のために警棒だけでも支給してほしい」と訴えた。さらに、武道実務官の職務遂行に関する法的根拠が整備されていないとの指摘もある。「司法警察職務法」や「保護観察法」などに武道実務官の職務遂行についての法的保障がなく、積極的な業務遂行を行うにあたって制約がある。

武道実務官らは公務員である保護観察官と同じ業務を遂行するが、危険手当と特定業務手当が受けられない。2年未満の武道実務官の基本給は230万ウォン(約25万2000円)に過ぎず、休日・夜間手当を含めても290万ウォン(約31万8000円)程度だ。年俸引き上げや昇進に関する制度もなく、長期勤続への動機付けが不足している状況だ。

スウォン(水原)保護観察所のアニャン(安養)支所のイム・ソンテク武道実務官は最近インタビューに応じ、「10年前に配属された時、税引き後210万ウォン(約23万円)程度を受け取っていたが、現在は280万から290万ウォン(約30万7000から31万8000円)程度を受け取っている」と語り、「処遇改善のために本部が努力しているというが、実務官の仕事を辞める理由のはほとんどは給与体系」と話す。

国会では与野党を問わず、武道実務官の処遇改善の必要性に共感している。共に民主党のソ・ヨンギョ議員は「法案を通して支援するので、積極的に武道実務官をサポートして欲しい」と法務部に対し処遇改善を求めている。

法務部のパク・ソンジェ長官は「当事者が直面する困難に比べて補償や政府の予算が不足している」として改善の意志を示しながらも、「法務部内にはさまざまな公務職があり、処遇改善時にはこれを考慮する必要性がある」と付け加えた。
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