検察は李氏の家族が道の予算を私的に利用するため、京畿道秘書室などの職員が組織的に関わったとみなした。
検察などによると、李氏は京畿道知事を務めた2018年7月から2021年10月にかけ、京畿道の公用車を私的に使用したほか、道のカードを使って飲食費を支払うなどして道の予算計1億653万ウォン(約1180万円)を私的に使用したとされる。
李氏は京畿道が6540万ウォンで購入した現代自動車の高級車ブランド「ジェネシス」の大型セダン「G80」を城南市内の自宅駐車場に置き、任期の間に自家用車のように使用していたという。
同公用車は李氏の妻のキム・ヘギョン氏のスケジュールをサポートする道の担当者が運用し、キム氏の個人的な集まりや通院などの外出のために使われていたことが分かった。キム氏の私的目的で公用車を使うため、京畿道秘書室は公用車が来賓の送迎などに使われているように見せかけ、キム氏のサポートチームは虚偽の運行記録を作成して提出していたことが確認された。
検察は李氏が公用車の私的利用により、少なくとも6016万ウォン(賃借料・洗車費用・燃料費など)相当の利益を取得したと把握した。
検察はまたキム氏のサポートチームが、李氏とキム氏の要求に応じて牛肉や寿司、ふぐなどの食品計75点を道のカードを使って購入し、これら889万ウォン相当の品物を無償で提供したと判断した。
また法事に当たる祭祀(さいし)で使う果物(2791万ウォン)、朝食に食べるサンドイッチ(685万ウォン)、クリーニング代(270万ウォン)を道のカードなどで支払い、道の予算を使用した。
特にサンドイッチや果物の購入は買い掛けの方式で購入し、当時の秘書室長の管理のもと「懇談会用」「新型コロナ治療センター勤務者激励用」「超過勤務職員の差し入れ用」など虚偽の名目で決済されていたことが分かった。
検察は昨年12月、京畿道庁総務課、秘書室などと道のクレジットカードが私的に使われたとみられる飲食店や商店に対する家宅捜索を行い、追加で確保した証拠資料などをもとに7月に李氏と妻のキム氏に出頭を要請した。キム氏は9月5日に出頭したが陳述を拒否して約2時間で帰宅し、李氏は数回にわたる出頭要請に応じなかった。
検察はまた、キム氏が元職や現職の国会議員の妻らに食事を提供したなどとして公職選挙法違反(寄付行為)の罪に問われた裁判の一審判決で罰金150万ウォンが言い渡されたことを捜査に反映した。一審で水原地裁は自宅に配達されたサンドイッチや果物の代金は京畿道庁が各販売店に支払う方式で行われたとし、道の予算が使われたとみなした。
ただ検察は、この事件については関与度や役割を考慮し、キム氏の起訴を猶予した。
尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権発足後、李氏が起訴されたのは今回が6回目。
ソウル中央地裁は今月15日、2022年の大統領選に絡み虚偽の事実を述べたとして、公職選挙法違反の罪に問われた李氏の判決公判で懲役1年、執行猶予2年(求刑懲役2年)の有罪判決を言い渡した。
李氏が起訴された3件の別の裁判も進行中で、今月25日には偽証教唆事件の一審判決が言い渡される。
この日の6回目の起訴で李氏は一部併合された裁判を含め、計5件(ソウル中央地裁3件、水原地裁2件)の裁判を抱えることになった。
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