刻む会の井上洋子共同代表(提供写真)=(聯合ニュース)
刻む会の井上洋子共同代表(提供写真)=(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】韓国の李泳禧(リ・ヨンヒ)財団は28日、日本による植民地時代に強制徴用された朝鮮半島出身者が山口県宇部市にあった長生炭鉱の海底坑道水没で亡くなった事故について、真相究明と犠牲者の追悼事業を行ってきた日本の市民団体「長生炭鉱の水非常を歴史に刻む会」(刻む会)を李泳禧賞の特別賞に選んだと発表した。

 同賞は韓国社会の隠された真実を追求したジャーナリスト、李泳禧氏(1929~2010)をたたえて2013年に制定された。授賞式は来月2日にソウルのハンギョレ新聞社チョンアムホールで開催される。

 李泳禧財団は授賞理由について、「(刻む会の)活動は歴史的真実の究明と過去の歴史の清算に基づく韓日間の真の和解と友好協力の基盤を作る事例と評価できる」と説明した。

 1942年2月3日、宇部市から約1キロ離れた海底坑道で水漏れにより朝鮮半島出身者136人と日本人47人の計183人が死亡したが、犠牲者の遺骨収集や事故の真相究明は進んでいない。

 刻む会は91年の発足以来、事故の真相究明と追悼事業を続けており、今年9月からは遺骨の発掘調査を開始した。

 同団体の井上洋子共同代表は「犠牲者の遺骨の収集・返還に向けて日本人と日本政府が誠意を尽くすよう、韓国の皆様からの叱咤(しった)激励であると肝に銘じる」と述べた。


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