「済州航空機事故」消えた4分…専門家「2つのエンジンが故障する確率は700万分の1」=韓国
「済州航空機事故」消えた4分…専門家「2つのエンジンが故障する確率は700万分の1」=韓国
チェジュ(済州)航空機事故で衝突前の4分間、ブラックボックスの記録が保存されていなかったと調査された中、ククトン(極東)大学航空安全管理学科のクォン・ボホン教授は、「30年間安全を研究してきたが、ほぼ初めてのケース」と話した。

クォン教授は13日、CBSラジオとのインタビューで、「多くの事故事例を研究したが、このようにブラックボックスが作動せず記録されなかったケースはほぼ初めて」と述べた。

クォン教授は、「ブラックボックスには基本的に航空機の基本データが入るFDR(フライトレコーダー)とCVR(コックピットボイスレコーダー)という装備がある。この2つが全て記録される」とし、「ブラックボックスは非常に重要なため重力加速度の3400倍、摂氏1100度で1時間耐えられる」と説明した。

また、(ブラックボックスの衝突前4分間の記録が消えた理由としては、ボーイング)737機の場合、この2つの装備(FDR、CVR)に入る電源が航空機のエンジンジェネレーターから出る交流電源をもらう」とし、「FDRは左側のエンジンから、CVRは右側のエンジンから電源をもらう」と説明した。

そして、「2つとも(保存されて)いなかったということは、結局2つのエンジン全てが機能を喪失したとしか考えられない」とし、「最近の航空機は海から出ることのできる距離が120分、207分まで伸びるほどにエンジンの信頼度が非常に高い状況だ。それにもかかわらず、このように鳥と衝突したり極めて例外的な場合には2つのエンジンが切れる」と付け加えた。

クォン教授は2つのエンジンが全て故障する確率は「700万分の1」とし、「非常に珍しいケース」と再度強調した。

クォン教授は、「補助バッテリー設置義務事項」を問う司会者の質問には、「CVRの電源を10分前後供給できる補助バッテリー(RIPS)を装着するようになっている」としながらも、「この航空機はこの規定以前に作られたもの」と答えた。

続いて司会者が「独立的なバッテリー装置の有無」について質問すると、クォン教授は「基本的にエンジン2つが切れるとAPUという(補助エンジン)装備を作動する」とし、「補助エンジンを作動すると再び正常供給をするため全く問題がない。しかし今回の場合はあまりにも緊急な状況だったため、この補助エンジン自体を作動させられなかった」と説明した。

そして、「推定だが、航空機が接近中に右側のエンジンが先に鳥と衝突して切れたり火災が発生し、左側のエンジンも鳥と衝突して2つのエンジンが切れたようだ」とし、「この場合は油圧装置が作動しないため航空機の操縦かんが非常に重くなる。そのためかなり難しい状況だっただろう」と推測した。

また、クォン教授はブラックボックス記録がない状況で「結局(事故原因を)推定することしかできない」とし、「航空機が正確に何ワット、何キロメートルの速度で衝突し、このように火災が発生したのかなどの部分は明らかにすることが難しい状態となった」と述べた。
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