ロックバンドの<Weeper>解散後、ソロでこのほどリリースした2ndアルバム『Spectrum』が、長い間とっておいた曲を中心に編まれているのもそのためだ。タイトル曲『I Need Your Love』は2006年のソロ・1stアルバムのころにメロディーと歌詞が生まれたが、編曲のイメージが描けず中断していたもの。『流星』は22歳の時、欲を出した挙句に方向性を見失った曲、『Floating World』は1stアルバム発売前の軍服務中に作り、『Beatles Cream Soup』は昔大枠を作り部分修正を繰り返してパソコンに保存していた。
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最近インタビューに応じたイ・ジヒョンは、「数学の公式のようだった曲の解答が不思議なことに一気に解けた。なかなか手放せずこだわっていた曲を今回のアルバムに入れられなければ、ずっと公開できないままになるという不安もあった」と振り返る。そういうわけで、アルバムタイトルの『スペクトラム』はジャンルの多様化を意味するのではない。中学1年生でギターを初めて手にした時から現在にかけ、音楽的な情緒の領域が豊かに広がったという意味だ。
このアルバムに耳を傾けると、後半のトラックになるほどバンドサウンドが強烈に響く。しかし、10代だったWeeper時代の非大衆的なハードロックではない。かといって<Toy>のゲストボーカルとして歌った『熱いアンニョン』のような熟した柔らかさでもない。ソフトなサウンドに編曲は図太くと、バンド時代のイ・ジヒョンとソロのイ・ジヒョンの接点のようだ。彼は「こうした音楽がもともと求めていたサウンド。意図したり計算することは得意ではない」と笑う。瞬間的な感覚を逃さず表現するだけだという。
ギターサウンドが印象的な2ndアルバムは、1st盤の明るく健康的なイメージとつながる。イ・ジヒョンは、兄の友人がギターを弾く姿に触発され独学でギターを始めて以来、技術的な目標に向かって弾いてきたのではなく、ギターを抱えていることそのものが幸せだったという。そうして音楽一色の中高時代を送った。
2001年に<Weeper>が解散、2003年に軍服務を終え、経済的にも独り立ちの時期を迎えた。韓国大衆音楽賞の男性歌手賞を受賞したファースト盤は、周りから10万ウォン、20万ウォンずつ借りながらスタジオでのレコーディングをどうにか終えリリースされたアルバムだ。つらい時にバンド時代が懐かしくはないのだろうか。イ・ジヒョンの答えは「ドラムやベースがズンズン響く中で曲作業をするという、わたしにとっての理想的なバンドではなかった。曲作業はソロ時代とシステムが違わず、バンドに幻滅を感じたのだと思う。望んでいなかったのにリーダーになり、決定権も持つことになってしまった。<Weeper>を始めたころから、いつかはギター1本で歌う歌手になるという夢があったが、ようやくかないつつある」
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