『母なる証明は』現地時間16日にメディア試写会と公式上映会を行い、好評を得た。オフィシャル紙はこの作品の最大の魅力は“キム・ヘジャの演技”だと、絶賛した。
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カンヌ市内のホテルで17日午後に会ったキム・ヘジャは「ポン・ジュノ監督のような才能ある人が、何年も前から企画し、幸せな瞬間を抱かせてくれました。『母なる証明』は、忘れられない作品です」と語った。
韓国の授賞式でも恥ずかしくてわざわざ式場の裏から入るほどだというキム・ヘジャ。カンヌを初めて訪れ、レッドカーペットを踏んだが、外国人にも作品を高く評価してもらいたいという思いで震えが来た」と打ち明けた。試写会では、拍手が鳴り止まず「儀礼的な拍手ではない、本当に大きなことをしたんだと感じました」と笑顔を見せた。
俳優としての道を歩み出してから、45年が過ぎた。今回の作品では、時折背筋が寒くなるような狂気を見せ、従来のイメージとは全く異なる母親像を生み出した。
「母親の本質はみんな同じ。ただ、置かれた状況がそうさせたんです。平凡な母親役を繰り返さないようにしてくれた、ポン監督に感謝しています」
これまで、テレビで演じたイメージそのままの役での映画出演依頼を受けてきたが、キム・ヘジャ自身が、そうした役には飽きていた。テレビでいつでも見られるものを、映画館まで足を運んでくれるとは思えなかったからだ。ポン監督は「マンネリ化していた演技を打破してくれた」と語る。1シーンを30回以上撮り直したこともあったが、衝突があったわけではなく、監督とは同じ思いを抱いていたと、撮影当時を振り返った。
ポン監督から『母なる証明は』の話を聞いたのは、5年前にさかのぼる。非常に独特なストーリーに心ひかれた。実現に時間がかかり次第に負担を感じるようになり、自身を念頭に置いて構想した作品だというだけで幸せだと、ポン監督に撮影を止めるよう話したこともあったという。5年も経てば忘れてもおかしくないが、ポン監督はキム・ヘジャとのコンタクトをかかさなかった。そうしているうちに、作品がキム・ヘジャの中で育っていった。
しかし、ベテラン俳優のキム・ヘジャにとっても、撮影は容易なものではなかった。ポン監督は、母子関係で重要な意味を持つシーンの脚本に「言葉で表せない表情」という注を付けるなど、キム・ヘジャにすべてを委ねた。
「どう演じたらいいか分からず、監督に演じてみせてほしいと頼んだら、“ただ、言葉で表せない表情をすればいい”と言うんです。あのときはもどかしくて、泣いてしまいました」と、壮絶な撮影だったことを明かした。
息子のドジュンはウォンビンが演じたが、実は、「息子役はだれがいいかと聞かれたので、ウォンビンと答えた」のだという。
「目がとても澄んでいて、あの年齢なら世間ずれしていておかしくないのに、穢れていない。ドジュンにもそういう輝きがあるんです。そんな考えが、ポン監督と通じのでしょうね」
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