お互いについて、ハ・ジョンウは「明らかなことは聡という友人を得たのは幸運だったということ。俳優を離れ一人の人間としてとても大切な時間だった」、妻夫木は「キム・ギドク監督の作品を通じヒョン(兄貴)を知った。演技に対し妥協しない人だと思ったが、会ってみるとはるかに開放的な人だった」と語った。
映画は家族のいない孤独な韓国人青年と、家族のためにとてつもない重荷を背負う日本人青年の悩みや絶望をつぶさに描いている。
2人は昨年、6週間にわたりともに撮影に臨んだ。第一印象のぎこちなさを破ったのはハ・ジョンウのウィットに富んだ一言。『ジョゼと虎と魚たち』のワンシーンで卵焼きを食べる演技が最高だったとしながら、妻夫木にそれを一度見せてくれないかと声をかけたのだ。ハ・ジョンウは、妻夫木はビッグスターだが、共演時には居心地の悪さを全く感じさせず、よく一緒に酒も飲み、心軽く作業に打ち込めたと話した。
一方の妻夫木は、ハ・ジョンウの演技を見て感じるところは多かったという。また、相手の演技に対しリアクションするのが好きなため、ハ・ジョンウのせりふまですべて覚えるなど、この作品にとても多くの時間と工夫をこめたことを明らかにした。
やりがいのある映画だったが、撮影作業そのものはたやすくなかった。韓国とは異なり、雨が降っても撮影を強行する日本流の撮影の特性上、休む間もなかった。ハ・ジョンウによると、波がたたきつける中でボートに乗るシーンでは食べたものを吐いているが、それは演技ではなかったのだとか。
そんなハードスケジュールでも、彼らは目標を達成することができた。撮影期間中は常に映画に対する情熱、熱意を確認することができたためだ。「タイトなスケジュールの中でも、スタッフはより良い映画を作ろうという情熱に満ちていた。前に釜山映画祭に行った時、韓国の方たちのパワーに圧倒され、いつか韓国の方たちと映画を一緒にしたいと思っていたが、ハ・ジョンウのような人に会えて良かった」と妻夫木。ハ・ジョンウも「新たに出会った人たちと何かを経験するのは楽しみだが、同時に恐れもある。期待とともに撮影に臨んだが、そのプロセスは簡単ではなかった。それでも終わってみれば何かを得たと気がする」とし、妻夫木という友人を得たのは確かだと言葉を重ねた。
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