そんな彼が20キログラム減量し、難病を患うジョンウになって帰ってきた。「命がけだった」という言葉は過言ではなかった。映画『私の愛、私のそばに』の公開を前に会ったキム・ミョンミンは、落とした体重の半分は戻したものの、依然として健康な体ではなかった。
キム・ミョンミン の最新ニュースまとめ
できないと言っていた筋萎縮性側索硬化症の患者役を引き受けた理由が何より気になったが、彼は「お酒の席なら話せるかもしれない」としばらく口を閉ざした。「今は運命だったとしか言えません。手に入れたいものをすべて得られないように、逃げたくても自分をがんじがらめにするものがあります。やらざるを得ない状況に追い込まれてしまうんですよ」
体重を落としたことにだけ注目が集まるとは思わなかったと言いながら、それでも寂しくはないと付け加えた。最初から努力した分だけ結果が出るとは期待していなかったし、自分との戦いに勝つことだけを目指していたため、それを達成できた自分に満足しているとの説明だ。
映画で、自らの感情をコントロールできないほど症状が悪化したジョンウは幻想に陥る。突然立ち上がり伸びをし、踊り、妻のジス(ハ・ジウォン)に完治したから迎えにくるよう電話をするシーンだ。
ジョンウは羽根が生えたかのような軽快な動きと明るい表情を見せるが、実際には最悪のコンディションだったという。ただ横になっているだけでめまいがしたのに、踊りながらターンをするので、そのたびに気力が尽きる思いがしたと明かす。また、真冬の撮影現場で暖房が効かなかったときも、スタッフは厚着をしていたが、自身は薄い患者服で撮影に臨んだ。そんな状況のため、現場では救急車が待機していたという。
映画の前半では、ジョンウは勉強や恋に打ち込み、甘い言葉でジスにプロポーズするなど、はつらつとした姿を見せる。筋萎縮性側索硬化症の患者ということを除けば、これまでキム・ミョンミンが演じてきた役の中で最も明るいキャラクターだ。いちゃいちゃするシーンは本当に恥ずかしく、キム・ミョンミンならできなかったが、ジョンウだからできたようだと話した。
自分のカラーを消してキャラクターになりきることが演技の「正道」だと信じ、徹底的に自らをいじめ抜くことで有名なキム・ミョンミンは、それは「自分が楽になるため」だと話す。「キム・ミョンミンの感情は最大限なくそうと努力します。自分に足りないのはジョンウの感情だから。少しでも油断すると習慣のようにキム・ミョンミンが出てくるので、毎日のようにジョンウになろうと非常に努力します。楽しみながら演じる俳優がうらやましかったりしますが、わたしがそんな風にできないのは仕方ないです」
Copyright 2009(C)YONHAPNEWS. All rights reserved. 0