フィソン=(聯合ニュース)
フィソン=(聯合ニュース)
フィソンはこれまで、自らを厳しく責めながらも音楽への強いこだわりと意志をみせることが多かったが、先のインタビューでは違っていた。過去の喪失感より未来への期待を語ることに時間を割き、新譜や米国進出の準備について語り続ける口ぶりは自信にあふれていた。

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 8日に発売する6枚目アルバム『Vocolate』は、著名な作曲家のパク・グンテ氏と袂(たもと)を分かってから初めてリリースするCDとなる。5枚目アルバムとミニアルバムの売り上げが振るわなかったせいだろうか、フィソンは、自らプロデュースした新譜で「完ぺき主義の結果を見せる」と意気込みを示した。

 「2枚のCDが外部的な要因で生ぬるい作品になったことに腹が立ちました。このときに歌手をやめてプロデューサーに転向することを決めましたね。これ以上歌手としての欲もなく、やめなければ衝動的で危ない選択をするような気がしました。ですが、偶然にもデジタルシングル『Insomnia』が人気を博し、状況が一変したんです」。何よりもファンが気にかかり、また敗北者としての烙印(らくいん)を押されるのがいやだった。家族の期待に応えられないのもつらく、考えを改めたという。

 悩んだ末に取り掛かった6枚目のアルバムは、主に米ロサンゼルスで準備を進めた。フィソンが4曲を作曲、10曲を作詞し、男性デュオ<DEUX>元メンバーのイ・ヒョンド、外国の作曲家も参加している。
 R&Bの代表歌手に挙げられるが、ジャンルにこだわらず自分の声に合わせた曲を収録しようと努めた。彼は、「ジャンルの区分は心でなく頭で聞くものなので意味がない」ときっぱり。アルバムにはソフトロックサウンドを盛り込んだ曲、エレクトロニックなスタイルの曲、ドラムのない曲など、新たな試みを行った曲も収録された。

 アルバムタイトル『Vocolate』は”ボーカル”と”チョコレート”を組み合わせた造語だ。フィソンは、チョコレートは健全でありながらもエロティックな感じを与える芸術と密接した食べ物で、ロマンと感性がこもっていると話す。これにボーカルという言葉を組み合わせることで、「自分の音色を感性的、感覚的に受け止めてほしい」との意味を込めたと説明した。また、『Vocolate』は今後結成するR&Bグループの名前でもあるという。

 一方、フィソンの米国進出の準備は意外にも静かに、迅速に進められている。6月に米国のトッププロデューサー、ロドニー・ジャーキンス(ダークチャイルド)氏と連絡を取り、7~8月に米ユニバーサルミュージックとアルバム流通・投資に関する契約も結んだ。来年初めのシングル発売を目指し、すでに3曲のレコーディングを終えている。

 レコーディングした曲のうち1曲は、米R&Bスターのニーヨが作詞作曲したもの。マイケル・ジャクソンが生前にニューアルバムへの収録を決めていた曲だが、Ne-Yoとフィソンがデュエットすることになった。
 フィソンの歌を聞いたジャーキンス氏や作曲家は、その声を「黒人のようだ」と賞賛し、「モンスター」とまで言ったという。「レコーディングエンジニアらもほめてくれ、まるで羽根が生えたような気分でした。わたしの声は実に多様ですが、米国でのレコーディングを通じて自分の声を知るようになりました」。

 最後に、米国市場での目標を尋ねてみた。「かつて米国のスタッフに、”韓国を無視するな。韓国には自分より歌がうまい歌手が1000人いる”って言ったんです。そうしたら、(動画掲載サイトの)ユーチューブで探してみるとの答えが返ってきました。米国に”コリアン・プライド”を轟かせたいですね」。
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