ヒップホップデュオ<Leessang(リッサン/ゲリ、ギル)>の6枚目のアルバム『HEXAGONAL』が、音楽チャート1位を席巻した。同じ時期にアルバムを発表しチャート1位を狙った歌手らは、Leessangを「ダークホース」と表現する。
 当のLeessangは、音楽チャート100位内に11曲がランクインしたことを、友人の歌手PSY(サイ)からの電話で知ったという。ネットサーフィンしながら、自身たちのことを気にかけてくれるPSYは「うちのインターネット・マネージャー」だと話す。

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今回のアルバムも、これまでのLeessangのヒット曲にみられる中毒性の強いメロディー、現実を語った感覚的なリリック、予想外のゲスト起用などを盛り込み、音楽的に評価されている。ギルがテレビのバラエティー番組で活躍しているため、「音楽の真剣味にかけるのでは」という懸念もあったが、無用の心配だった。

彼らの音楽が大衆に支持されるのは、だれにでも起こりそうな率直な感情を歌っているからだ。よくある恋と別れの中の片隅の感情まで繊細に引き出し、共感を呼ぶ。アルバムタイトル曲『別れられない女、離れられない男』は、恋が冷めたにもかかわらず、別れられない男女の関係を描いている。赤裸々な歌詞は「19禁」となった。ゲリは、きれいに遠まわしで表現しようとすると、いい詩が書けないと話す。

「アルバム作業前に、ノーベル文学賞詩人パブロ・ネルーダの詩集を2冊読み、簡潔ながら荒削りで率直な表現に心を打たれた。歌詞も美しく書くのではなく、自分の話を書いてみたんです」

歌詞のなかであまりに女心をうまく表現しているので、ゲリは家ではスカートを履いているという噂もあるのだと笑う。平凡な自分たちの話こそ、大韓民国の今日を生きる人々の話しだと考える。「誰のためでもなく、単純に自分たちの考え、経験を盛り込んでいるだけ」だという。

自分たちが自由なのは、何もない状態で始め失うものがないからだと説明する2人。アルバム市場の不況など外的環境に左右されず、聞く側を気遣うこともない。ただ、創作に苦痛が伴うだけだという。そうした自由さから、リッサンの音楽はヒップホップを根幹としながらも、ジャンルにこだわらず、斬新な試みが多い。このアルバムでも、フォーク、エレクトロニック、ボサノバなど、さまざまなジャンルの歌手をフューチャリングゲストに迎えた。ギルと交際中の女性歌手グループ<JEWELRY(ジュエリー)>のメンバー、パク・チョンアも参加している。

事務所移籍で環境が安定し、音楽も多様化したため、最も安定的な構図といわれる「HEXAGONAL(ヘキサゴナル・六角形の)」をアルバムタイトルにした。現在は、同じ事務所の女性歌手、ジョンインのアルバムプロデュースを手がけている。
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