イ・ソンギュン=22日、ソウル(聯合ニュース)
イ・ソンギュン=22日、ソウル(聯合ニュース)
トレンディードラマでの“ロマンチック・ガイ”のイメージはなかった。
 
パク・チャノク監督の映画『坡州』でイ・ソンギュンが演じるジュンシクは、学生運動を経てアパートの撤去対策委員会で働きながら、義理の妹を愛するようになる。耐え難い傷と罪の意識を抱えながら生きねばならない男だ。この役に感情移入し演じねばならなかった彼自身さえ「感情的に近づきたくないほど、大きな出来事を経験した人物」と評する。しかし、こうした役に挑戦した「坡州」は彼の代表作となった。
 
22日にソウルのカフェで会ったイ・ソンギュンは、初の主演作となる同作について「最も愛着があり、責任感も大きい作品。これまでの作品の中で残念な部分が最も少なかった」と話した。
 
「もう少し映画的な仕事をしたい、改めて考えさせるような作品に出演したいと思いました。どっしりと落ち着いて演技にアプローチしたかったんです。パク監督は大変、ディテールをもって撮られる方。そういう仕事をすることになったのだから、うまくやらなければと考えましたよ」
 
撤去予定のアパートでの撮影は、限られた時間に終えねばならないというプレッシャーのため、重要なシーンで本質的に思い悩むことができず残念だったと振り返る。
 
「(義理の妹の)ウンモに告白するシーンは、脚本を読んだ段階から非常に大切だと感じ、心配していたシーン。でも、早く撮影して出なければならない状況で、36時間寝ずに撮影したため、本質的に考え悩むことができませんでした」。
 
一方では、ともに撮影したスタッフに感謝を覚えたシーンでもあった。OKが出ても何となく気にかかり、徹夜で疲れているスタッフをおもんぱかりながらも数時間後に監督に切り出したところ、スタッフらは「100回でもスレート(カチンコ)を打つから負担を感じるな」と快諾してくれた。これには「涙が出るほど感動した」という。パク監督も彼を毎回モニターの前に呼んで助言をくれ、互いの意見がすれ違うことはほとんどなかった。
 
最後に、なぜ俳優をするのかと尋ねてみた。
「僕は欲もなく、遊び暮らすことを夢見る人間です。何もしたいことがなかったとき、自分を能動的に動かしたのが演技でした。演技が無条件の目標ではなく、幸せになりたくてするんです。演技に意味がなくなり金を稼ぐ手段だと感じれば、やりたくなくなると思います」
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