講演する木村秋則さん=21日、ソウル(聯合ニュース)
講演する木村秋則さん=21日、ソウル(聯合ニュース)
【ソウル22日聯合ニュース】自然栽培をするなら常識にこだわってはならない。自然が人間を守るように、人間も自然を守れると信じればいい――。日本の自然栽培リンゴ農家・木村秋則さんは、10年間にわたる挑戦を経て、無農薬のリンゴ栽培に成功した。木村さんのリンゴ畑は農薬も肥料も使わずに高い生産性と質の高さを誇り、日本で「奇跡のリンゴ」と称される。木村さんもまた、全国各地で自然農法を伝える講演を行っている。木村さんのリンゴ作り秘話を書籍化した「奇跡のリンゴ」(石川拓治著)は、韓国でも7月に翻訳・出版されている。

木村さんは、ソウル・三成洞の韓国総合展示場(COEX)で開催された京畿道の農産物フェア「Gフードショー」に招かれ、21日午後に講演した。金文洙(キム・ムンス)道知事とも懇談会を行った。

 木村さんは、窒素肥料、除草剤、農薬の有害性を説明し「自然の力」を強調した。作物に与える窒素肥料の半分はガスになり、地球大気を破壊する。土が硬いと草が生えないが、柔らかければ雑草もよく育つ。農薬を使用すれば土が硬くなり、植物が根を下ろすことができない。自ら経験した事例を紹介しながら、自然には自己治癒力と生産力があり、人間がどんなに人為的に生産力を高めようと研究しても、自然の力に任せる以上の効果はないかもしれないと話す。

 肥料を与えた畑よりも、30年間肥料を与えていな木村さんの畑のほうが栄養分を多く含むという事実に、日本の大学教授が研究に乗り出したと紹介。「自然農法は学問以上の力を持っています」と力説した。

 農薬を使わずに病虫害が発生しないリンゴ畑を作りだした秘訣(ひけつ)は、土にある。種子改良や農薬を使わない自然な土を作るまでに、10年を費やした。木村さんは自然栽培農法の重要な要素に、「観察」と「土」を挙げた。

 「土を掘っても山奥では虫がほとんどいません。むしろ、田んぼや畑に虫がいます。自然についてわたしたちが知らないことはたくさんあります。ひとつずつ解明していくことが、わたしたちのすべきことなのです」。

 日本でも自然栽培を行う農家はまだ少ないという。「空から見れば、韓国と日本に区別はありません。韓国でも自然栽培に関心を示してほしい」と話した。


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