アン・ソンギ の最新ニュースまとめ
シン・ヨンシク監督の新作映画『フェアラブ』で、友人の娘で大学生のナムウン(イ・ハナ)と初恋に落ちる50代の独身男、ヒョンマンを演じた。公開を前にして会ったアン・ソンギは、「『かわいい』という表現は最高の賛辞」だと語った。
「甘い言葉で女性をとりこにするでなく、不器用な恋愛だから可能だったんでしょう。慌てふためく姿は初々しい恋のようで、脚本を読みながら1人でくすくす笑うほど面白かったですよ」。
さほど名を知られていない監督の小規模作品のため、脚本を受け取ってからクランクインまで、3年という短くない時間がかかった。アン・ソンギは脚本だけで出演を決め、その間、待ち続けた。
ヒョンマンは、50歳過ぎまで結婚どころか恋愛すらろくにしたことのない男だ。全財産を友人に持ち逃げされ、カメラ修理がすべてという暮らしを送っているが、ある日、その友人が自身の娘・ナムウンを頼むと言い残して死ぬ。ヒョンマンは寂しさを紛らわすつもりで、ナムウンと一緒に暮らすことにするが、男として接してくる彼女に戸惑い、腹を立て、いつしか心が揺れ動く。
アン・ソンギ自身も、恋愛下手だったと語る。「3人兄弟育ちなので、女性のことはよく分からなくて、ヒョンマンのように人に言われて初めて『ああ、そうなんだ』というレベル。うまく表現しなければいけないんだと、後になって、ずっと時が過ぎてから気付いたんですね」。
シン監督は、この映画を「成長映画」と表現する。アン・ソンギも、「それぞれの世界にいる2人が互いの壁を取り壊し、かけひきをする過程に焦点を合わせた」という。
アン・ソンギは50代の独身男に訪れた初恋のときめきを、力を入れず安らかに伝える。そして何より、愛らしく、かわいい。
「ほかの映画ならいいろ考え計算しますが、今回は何も考えませんでした。考えて計算してはいけない映画だったんです。脚本も日常的な表現が多かったので、覚えるのではなく、さっと見て撮影に入りました」。
韓国の女性は、兄を指す言葉「オッパ」を、年上の恋人を呼ぶときにも用いる。ナムウンもヒョンマンを「オッパ」と呼ぶが、ヒョンマンが自分で「オッパが」と話すことは極力避けたという。「オッパと呼んだらどうか」と提案するシーンがあるが、そこで下心があるように思えたためだ。「アジョッシ(おじさん)」にしたかったが、「オッパ」は必要な言葉だということで、ヒョンマンの「オッパが~」というせりふを多く削った代わりに、ナムウンは「オッパ」と呼び続けた。
かなり以前から、自ら出演料を下げ、後輩をバックアップする助演役もいとわないアン・ソンギ。「主演と助演の比率は4対6くらい。それなりにどの映画でも存在感が出せているようで幸い」と、屈託がない。
俳優としてだけでなく、映画界の大先輩としての荷も大きい。各種映画祭のサポートや、最近は違法ダウンロードを防ぐキャンペーンの先頭にも立つ。長い間ユニセフ親善大使を務め、社会運動団体やサッカー・ワールドカップ誘致委員会にも名を連ねる。政界からもラブコールを受けるなど、彼を求めないフィールドはないに等しい。負担がないわけではないが、自分の役目なんだなと思い、そうした需要も受け入れてきたという。
しかし、そうした自分の存在のため、後輩が出て来られないという思いもある。来年以降は、良い意味で後輩に譲歩すべきと考えていると話した。
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