新首相に指名された韓明淑（ハン・ミョンスク）議員は、在野の女性運動家出身で、金大中（キム・デジュン）政権と盧武鉉（ノ・ムヒョン）政権の２回にわたり閣僚を歴任した。国会での首相指名同意が得られれば、韓国では憲政史上初の女性首相となる。
　１９４４年平壌で生まれた韓議員は、１９６３年に梨花女子大学仏文科に入学した。当時は「美しい生を歌う作家を夢見る文学少女」だった。しかし、当時ソウル大学に在学していた朴聖ジュン（パク・ソンジュン）聖公会大教授と４年間の熱愛の末に結婚すると、韓議員の人生は急変する。夫の朴教授は１９６８年、結婚から６カ月で「統一革命党事件」に関連したとして逮捕され、それをきっかけに韓議員も本格的な民主化運動に身を投じた。韓議員は当時を振り返り「民主化運動に身を投じたのは、夫の情熱的な教えによるもの」と語っている。

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　梨花女子大で教べんを取っていた韓議員は、１９７０年に学生らのデモを支援したことが問題となったことから辞職し、クリスチャン・アカデミーの活動を開始した。ここでは社会的弱者の女性に対する教育を担当する女性社会幹事として活動したが、１９７９年には他の幹事らとともに、体制批判的な理念書籍を学習し配布した容疑で逮捕される。

　２年間の獄中生活から解放されると、進歩的女性運動の組織化を目標に、梨花女子大女性学科大学院に進み、１９８７年に全国２０余りの女性団体をまとめ「韓国女性団体連合」を結成した。連合では女性運動家として家族法や男女雇用機会均等法、性暴力処罰法など、女性の権利保護のための法制化を進めた。

　２０００年には金大中前大統領が旗揚げした新千年民主党から比例代表として出馬し議員に初当選し、２００１年に創設された女性部（現・女性家族部）の初代長官として起用された。盧武鉉政権発足後は環境部長官に任命された韓議員は、１７代総選挙直前に閣僚を辞任するとともにウリ党入りし、選挙対策共同委員長を務めた。

■韓明淑議員略歴:１９４４年平壌生まれ。梨花女子大女性学科大学院修士、御茶ノ水大学博士課程修了。韓国女性団体連合共同代表、女性部長官、環境部長官など歴任。第１６～１７代国会議員。開かれたウリ党常任中央委員（現）。

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