SBSで放送中のドラマ『ジャイアント』で主人公イ・ガンモ役を演じるイ・ボムス(41)の声には、強い自信がにじみ出ていた。ソウル市内で4日に会った彼は、前日に放送24回目で視聴率が20%を突破したことに喜びを隠そうとしなかった。
ドラマ制作陣は視聴率20%突破を予感したかのように、3日夜の放送直後から翌日の午前まで飲み会を行い、久しぶりの休息を楽しんだ。
SBSが創立20周年を記念し企画した全50話の『ジャイアント』は、MBC歴史ドラマ『トンイ(同伊)』に押され、最初は視聴率が10~15%台にとどまっていたが、最近はストーリーに弾みがつき、上昇曲線を描いている。3日についに20.7%を記録し、21.9%の『同伊』を追撃している。
イ・ボムスは、『ジャイアント』の善戦には3つの意味があると説明する。まず、歴史ドラマは一度視聴率が30%を超えるとなかなか崩れないのが一般的だが、こうした前例を破り『同伊』の視聴率を引き下げたこと。また、『同伊』より数週遅れて放送が始まったうえ、サッカー・ワールドカップ(W杯)中継で放送時間の変動が多かったにもかかわらず、視聴率が上昇したこと。さらに歴史ドラマの巨匠、イ・ビョンフン監督が演出する『同伊』を追い上げていることも注目に値すると話した。
イ・ボムス、パク・サンミン、ファン・ジョンウム主演の同ドラマは、1970~1980年代のソウル・江南を舞台に、イ・ボムス演じるイ・ガンモが逆境を乗り越え、建設業者として成功するまでを描く。これまでの放送分では、離れ離れになっていたガンモと兄、妹があらゆる苦境の末、劇的に再会するまでを描いたが、これからはガンモが本格的に事業に乗り出していく。
「最初にドラマのあらすじを読んだときから確信があった」というイ・ボムス。江南の開発とこれに絡んだ愛、復讐(ふくしゅう)、野望を描くシナリオが非常に興味深く思え、脚本が抽象的でなく非常に具体的に構成されていることや、ガンモという男が父親の敵(かたき)を知る前と後で大きく変化することも気に入ったという。
これまでは他の登場人物がドラマを引っ張っていたが、この先はガンモの全力疾走が始まる。事業家に変身したガンモが繰り広げる頭脳プレー、彼が見せる粘り強さなどが興味深く描かれる。ガンモの深い家族愛もドラマの魅力のひとつだ。ガンモは兄や妹との再会を喜ぶ一方、それにとどまらずもっと大きな構想を描く。また、ジョンヨン(パク・チニ)との恋も1つの軸となる。
ガンモが謀略により刑務所と「不良」矯正部隊の三清教育隊に収容される内容が放送されると、男性視聴者の関心が集まった。イ・ボムスが三清教育隊や銃撃シーンなど大変なアクションシーンをこなすほど、視聴率は上昇した。
江南の開発を扱っているため、一部では建設会社社長だった李明博(イ・ミョンバク)大統領の話ではないかという疑惑も出ている。だがイ・ボムスは、特定人物を描いた物語ではないと切り捨て、「俳優としてドラマチックな人生の逆転をうまく表現したいという欲しかなかったが、純粋に見てくれない人がいて少し残念だった」と打ち明けた。
大河ドラマのため、イ・ボムスはガンモの青年時代から50代までを演じることになる。ガンモの変化に伴い、スタイルも大きく変わる。刑務所では髪を短くしなければならないが、出所してからはすぐ事業家となるため、何も考えず短く切るわけにはいかない。また、1~2か月後に40~50代を演じるため、それに見合ったヘアスタイルも考えなければならない。ガンモはイ・ボムスがこれまで演じた役で最も気を使う人物のようだ。
今回のドラマの成功で、イ・ボムスは2007年に活動の舞台をドラマに移してから3連続でヒットを飛ばすことになる。それまでは主にスクリーンで活動していたが、2007年にドラマ「外科医ポン・ダルヒ」で視聴率29.3%をマークし、2008年には「オンエアー」で25.4%を記録した。
ドラマ撮影中の5月に結婚したイ・ボムスは、全国ロケのため新婚生活を十分に楽しめずにいる。「当然、妻には申し訳ないと思います。疲れて帰宅しても1~2時間は妻と過ごし、疲れを取っています。結婚してから物事がうまく進んでいるように思えます。もっと頑張って視聴率が30%を突破すればいいですね」と笑顔を見せた。
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