ソン・スンホン=(聯合ニュース)
ソン・スンホン=(聯合ニュース)
「原作『男たちの挽歌』は、わたしや同世代の男たちにとってロマン。チョウ・ユンファ(周潤發)が2丁拳銃を撃ち、偽造紙幣に火を付けたばこを吸うシーンは最高でしたね。どう頑張っても原作は超えられないと思っていました」――。

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 香港映画界に『香港ノワール』と呼ばれる新しい流れを作ったジョン・ウー(呉宇森)監督作『男たちの挽歌』(1986年)の韓国版リメーク『無敵者』で、ソン・スンホンが主演を務めた。映画主演は、俳優クォン・サンウと共演した『宿命』以来、2年ぶりだ。

 先ごろソウル・三清洞のカフェーでインタビューに応じたソン・スンホンは、「原作に韓国的情緒と色を付けた」と、この作品が単なるリメークではないことを強調した。

 物語は、武器密売組織のヒョク(チュ・ジンモ)とヨンチュン(ソン・スンホン)、刑事となり兄を追うヒョクの弟チョル(キム・ガンウ)、彼らを排除し組織を手に入れようとすテミン(チョ・ハンソン)の姿を描く。韓国内では16日に封切り予定だ。

 脱北者として韓国に入り、武器密売組織の一員となったヨンチュンを演じきったソン・スンホンは、「監督を信じて出演を決めた」と話した。自身の映画デビュー作「ホワイトクリスマス 恋しくて、逢いたくて」を演出したソン・へソン監督と、今回、11年ぶりに手を組んだ。シン監督は中堅監督に成長し、ソン・スンホンも韓流スターとしての地位を固めた。いつかもう一度、一緒に作品を作りたいという思いが強かったという。

 今回の作品では、原作映画に対するプレッシャーが強かったが、それに引けを取らないリメーク作と評価されるよう、最善を尽くした。壊れていくヨンチュンを演じるため、5年間やめていたたばこを吸い始めた。銃を分解するシーンを生々しく表現するため、家に銃を持ち込み分解する練習もした。

 「3年の間に壊れてしまうヨンチュンを表現するために目つきを鈍くするよう監督から注文されました。何をどうしろというのか分からず、監督を恨んだこともありましたよ。完成した作品を見て、監督がなぜそんな注文をしたのか、少しは理解できました。時間がもう少しあったら、もっとうまくやれたでしょうに…」。

2006年に軍除隊後、『宿命』『エデンの東』『無敵者』と、相次ぎタフな男を演じてきたソン・スンホン。ドラマ『秋の童話』『夏の香り』で見せたソフトなイメージから脱却するためだった。実際にも「やさしい性格とは程遠い」と笑う。

 来月中旬から撮影に入るドラマ『マイプリンセス』では、女優キム・テヒと共演する。今度は再びソフトな男だ。実は、裕福な家庭の息子を演じるのは、これが初めてだとか。
 「いつも貧しくて憂うつで、訳ありな家の息子役ばかりでしたね。こんな明るい雰囲気の作品はシチュエーションコメディ以来で、とても楽しそうです」。

 韓流スターとして確かな位置を築き上げたソン・スンホンは最近、松嶋奈々子と日本映画『ゴースト もういちど抱きしめたい』を撮影した。デミ・ムーアとパトリック・スウェイジ主演で大ヒットした作品のリメークだ。日本語がうまく話せず、「まるで手足を縛って演技をしているようだった」と振り返る。

 「最初はもどかしく感じましたが、時間とともに、言葉がすべてではないことに気付いたんです。それからは韓国での映画撮影より感情移入してしまって、(監督の)”カット”の声にも気付かず、演技を続けていたこともありました」。

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