インタビューで笑顔を見せるハン・ソッキュ=(聯合ニュース)
インタビューで笑顔を見せるハン・ソッキュ=(聯合ニュース)
1990年代後半にスクリーンで大活躍し、韓国映画界の黄金期をリードした韓国俳優ハン・ソッキュ。かつてのトップスターの座を若手俳優に明け渡して久しい。しかし、打撃感覚の落ちたベテラン4番打者に決定的な瞬間での一打を期待するように、彼を信じ続ける映画ファンは依然多い。

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 いつしか40代半ばとなったハン・ソッキュは、年齢を重ねただけ演技が深みを増し、18作目となる映画『2階の悪党』(原題)で、その名声を裏付けた。高価な陶磁器が隠されている家に入居し、虎視眈々(たんたん)と陶磁器を狙う文化財密売人のチャンイン役をずうずうしく演じ、大きな笑いを誘う。

 同映画では『ドクター・ポン』(1995年)以来、15年ぶりにキム・ヘスと共演した。ソウル市内のカフェで16日に会ったハン・ソッキュは、キム・ヘスとソン・ジェゴン監督への称賛を惜しまなかった。

 「(映画)『顔のない女』や『よいではないか』を見て、5~6年前から女優キム・ヘスのファンになったと言いますか…。一度一緒に仕事をしてみたいと思いました。キム・ヘスという女優は華やかなイメージが強いですが、さまざまな作品でそれを脱ぎ捨てようとしている印象を受けました。今回も、とてもリラックスして観客に近づいていく姿がよく見えています」。

 ソン監督に対しては、「事件と人物の状況を独自の目線でとらえている」と評し、いくらでも物語をひも解いていける「語り部」だと話した。
 『2階の悪党』は、笑いとユーモアのなかに物寂しさまで盛り込んでいるのがよかったという。また、うつ病に悩む女性と接し、自らもうつ病にかかってしまう男性など、キャラクターも気に入り、出演を決めた。

 出演した18作品のうち、コメディー映画は5作目。最も難しい話を最も簡単に伝えねばならないのは「本当に難しい」。ハン・ソッキュは、1950~60年代に主に活動したビリー・ワイルダー監督のコメティー映画が好きだと打ち明けた。「せりふやテーマが重いのに、明るいコメディー素材で表現している。ソン監督にも、韓国のビリー・ワイルダーになってほしいと話したりもしました」。

 20年近く演技を続け、誰もが認める演技派俳優だが、ハン・ソッキュはそれほど満足できずにいるようだ。なりたくて俳優になったが、どう演じるのかが依然課題だ。高校時代に見たミュージカル「ジーザス・クライスト・スーパースター」に衝撃を受け、俳優になることを決心したという彼は、「当時の自分のように、涙だろうと笑いだろうと、観客に一生忘れられない感動を与えられるだろうか」と悩み続けていると話した。
 「僕は演じる側ですが、自分もまた観客になり、演じている自分を見ます。10年後、20年後にも観客として僕の演技を見ることができます。観客としてハン・ソッキュがどこまでできるかも気になります。それが演技を続ける原動力です」。

 再び韓国映画界のトップに返り咲きたいとの思いはあるのだろうか。だがハン・ソッキュは、新しい映画をやりたいとしか言わなかった。年を取っていくが、常に新しい映画に参加する「選手」のような役割をしたいと、意気込みを語った。 

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