【ソウル23日聯合ニュース】黄海上の北方限界線(NLL)に近い韓国の延坪島一帯に向け、北朝鮮が23日に行った砲撃は、韓国軍の「護国訓練」に対する反発ではなく意図的な挑発だと、韓国軍が明らかにした。
 国防部の李庸傑(イ・ヨンゴル)次官は同日、民主党幹部に非公開報告を行い、軍が延坪島の沖合いで実施した訓練は護国訓練ではなく、定期的に行っている射撃訓練だったと説明した。民主党の朴智元(パク・チウォン)院内代表が明らかにした。
 李次官によると、韓国軍は、午前10時15分から午後2時25分まで北西部海上で射撃訓練を実施。西南方向に向け、NLLより南側で砲撃を行った。北朝鮮側が午後2時34分に海岸砲20発余りを発射してきたため、韓国軍もK9自走砲で同49分ごろ応射。続いて午後3時1分ごろ2度目の応射を行ったという。事態は午後3時41分に収束した。
 合同参謀本部の金正斗(キム・ジョンドゥ)戦力発展本部長(中将)も、与党ハンナラ党の緊急最高委員会に出席し、韓国軍の延坪島沖での訓練は護国訓練ではなく、海兵隊が毎月白リョン島で実施する砲撃訓練だったと報告した。ハンナラ党の安亨奐(アン・ヒョンファン)報道官が伝えた。
 特に金本部長は、韓国軍は北側ではなく南側に向け砲撃していたが、北朝鮮が突然、韓国軍陣地に向け海岸砲を発射したと指摘。北朝鮮の攻撃は威嚇射撃ではなく、照準射撃とみるべきだと強調した。また、北朝鮮の挑発は、NLLの無力化、北朝鮮の後継体制固め、軍事的緊張を通じた南北関係の主導権確保などに向けた多目的布石だと分析した。
 韓国軍は陸海空の合同作戦遂行能力を高めることを目的とする護国訓練を22~30日に全国で実施すると明らかにしていた。護国訓練は、1994年から中断されている韓米合同軍事演習「チームスピリット」を代替する訓練として、1996年から実施されている。
 一方、ある軍関係者は、今回の韓国軍の訓練は護国訓練期間に行われたが、これとは別のもので、1か月に1回程度、定期的に実施している射撃訓練だと説明した。8月初めと9月にも白リョン島、延坪島で実施しているという。
 韓国軍の砲射撃区域は、延坪島の西南方向20~30キロメートル地点で、午前10時から午後5時までの計画だった。砲射撃訓練にはバルカン砲、爆撃砲、無反動砲などを動員したと伝えた。
 また別の軍関係者は、詳しい被害状況は確認できていないとしたうえで、韓国軍の応射により、北朝鮮軍に相当の人命被害があったと述べた。

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