会見のようす。東レの日覺昭廣社長と東レ尖端素材の李泳官社長(左から)=17日、ソウル(聯合ニュース)
会見のようす。東レの日覺昭廣社長と東レ尖端素材の李泳官社長(左から)=17日、ソウル(聯合ニュース)
【ソウル17日聯合ニュース】日本の東レが慶尚北道・亀尾に年産220トンの炭素繊維量産工場を建設する。東レと韓国法人Toray Advanced Materials Korea Inc.(東レ尖端素材)は17日、ソウル市内で記者懇談会を開き、明らかにした。
 このため東レ尖端素材はことし660億ウォン(約48億円)を投資する。ことし着工し、2013年1月に商業生産を始める計画だ。生産する炭素繊維は韓国と中国市場に供給する予定。東レが日本ではなくアジアの国に炭素繊維生産基地を立てるのは、これが初めてだ。

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 中国ではなく韓国をアジアの炭素繊維拠点とした理由について、東レ尖端素材の李泳官(イ・ヨングァン)社長は、炭素繊維には多くの電力が必要だが、韓国は電気料金が日本の半分ほど、中国と比べても30~40%安く、また亀尾市の積極的な誘致意志と支援にも満足したと説明した。韓日議員連盟会長を務める李相得(イ・サンドゥク)国会議員が数度にわたり東レ本社を訪れ、工場誘致や技術移転を求めていたことも決め手となったとした。
 一方、世界の炭素繊維市場で首位に立つ東レは、韓国は炭素繊維を次世代成長分野として育成しているが、その技術レベルはまだまだだと指摘した。
 李社長は、いくつかの韓国企業が政府の援助を受け炭素繊維の開発を進めていると伝え、「いまだ初期段階の技術と把握している。東レの技術に追いつくにはまだ遠い」と指摘した。
 東レの日覺昭廣社長も、同社では40年前に炭素繊維を始めたが利益を出せるようになってから10年にもならないとし、韓国の水準はまだのようだと述べた。炭素繊維担当の小泉愼一副社長は、東レはナノレベルまで炭素繊維の欠陥統制が可能になったが、これは過去の生産技術が蓄積されたものだと紹介。一気に追いつくのは難しいだろうと評した。

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