【ソウル1日聯合ニュース】外交通商部の金星煥(キム・ソンファン)長官が5~10日、中東歴訪を行う。アラブ首長国連邦(UAE)とアルジェリアを訪れ、外相をはじめ高官らと会談するほか、現地に進出している韓国の企業家らと懇談する。その後、リビアも訪問する方向で調整を進めている。
 今回の歴訪は、資源外交の加速化と新興国との関係固めが狙いとみられる。外交通商部は、金長官が昨年10月の就任後から強調してきた「総合・総力外交」の一環だと説明し、中東の資源国とのエネルギー分野における協力関係強化の契機にものと期待を示している。金長官は就任以来、開発途上国として成長を続けるアフリカや中南米とともに中東諸国にも大きな関心を示してきた。
 今回最も注目されるのは、昨年韓国と深刻な外交問題が発生したリビア訪問だ。リビア政府は昨年6月、韓国の情報機関・国家情報院の職員が同国で軍事情報を収集しイスラエルに渡そうとした疑いがあるとして、同職員を国外追放したほか、韓国人宣教師と農場主を宗教法違反の容疑で逮捕した。さらに、駐韓リビア経済協力代表部を閉鎖した。
 一連の事態を受け、同年10月に李明博(イ・ミョンバク)大統領の実兄、李相得(イ・サンドゥク)ハンナラ党議員が最高指導者カダフィ大佐を表敬訪問し、両国関係の正常化に合意したが、関係発展への道のりは険しい。金長官は、ぎくしゃくしている両国関係を完全に修復し、協力関係を強化する考えと予想される。
 UAEとアルジェリア訪問では、エネルギー分野を中心に経済協力を集中的に模索する見通しだ。反政府デモで緊迫しているエジプト情勢などを受け、北アフリカと中東の情勢は不安になり、石油価格が値上がりしている。同地域の戦略的な重要性はますます高まっている。
 韓国は2006年にアルジェリア、2009年にUAEとそれぞれ「戦略的パートナー関係」を結び、協力を深めてきた。
 UAEは韓国の海外建設受注額1位、原油と液化石油ガス(LPG)の輸入相手国2位となっている。昨年の北朝鮮の魚雷砲撃による韓国哨戒艦沈没事件と延坪島砲撃では韓国の立場を支持し、ソマリア海賊による韓国船乗っ取り事件では、救出作戦においてチャーター機を提供した。金長官は、これらについてUAEに謝意を表する見通し。
 アルジェリアでは建設業の投資活性化など両国の経済懸案に集中する予定だ。

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