ボズワース氏(資料写真)=(聯合ニュース)
ボズワース氏(資料写真)=(聯合ニュース)
【ワシントン聯合ニュース】先月の米朝高官協議を最後に米国務省の北朝鮮担当特別代表を退任したスティーブン・ボズワース氏は21日(日本時間22日)、聯合ニュースとの単独インタビューに応じ、「北朝鮮のウラン濃縮計画が交渉を複雑にしている要因であることは間違いない」と話した。
 北朝鮮は昨年11月に訪朝したヘッカー米スタンフォード大教授(元ロスアラモス国立研究所長)らを通じ、ウラン濃縮施設を公開した。それから1年、ボズワース氏はウラン濃縮問題が北朝鮮の核問題と対話の中心テーマになったと強調したことになる。
 ボズワース氏が代表として参加した先月のジュネーブ米朝対話でもウラン濃縮計画に対する北朝鮮の方針に進展はなかったとされる。北朝鮮側は平和的な核利用と主張し、濃縮計画の中断要求を拒否した。
 在任中に北朝鮮の核問題解決に向けた具体的な成果がなかったとの指摘には、「北朝鮮の核問題解決には忍耐が必要」と答えた。ボズワース氏が米国務省の北朝鮮担当特別代表を退任してから韓国メディアのインタビューに応じたのは今回が初めて。
 2009年2月に北朝鮮担当特別代表に任命されたが、北朝鮮の相次ぐ挑発などで北朝鮮核問題をめぐる6カ国協議には1回も出席できなかった。以下は一問一答。
――南北、米朝対話が続いたが、今後の見通しは。
「確実に予想できないが、こうした動きが次の対話につながると期待する。十分な進展があれば、ある時点で6カ国協議が再開できるだろう。6カ国協議は参加国の政府がどのように決定するかにかかっている」
――追加対話が間もなく行われるとの意味か。
「国務省で判断するだろうが、もう1回対話があると思う」
――北朝鮮の金桂冠(キム・ゲグァン)第1外務次官がジュネーブで開催された米朝対話後に大きな進展があったと話したが、その意味は。
「進展があった。どのような形で進展したと型にはめたくないが、進展があったのは事実だ」
――北朝鮮の核問題解決について、具体的な成果がなかったとする指摘がある。
「具体的な進展がなかった理由は、北朝鮮の態度に問題があったためだ。韓国海軍哨戒艦沈没事件、延坪島への砲撃事件などの挑発を繰り返し、その前にはミサイルと核実験を行った」
――韓国政府の謝罪要求が、北朝鮮の核交渉に影響したと思うのか。
「真摯(しんし)かつ生産的な対話のためには当事国全部の利益を満たすべきだとの考えている」
――当時、韓国政府の強硬な姿勢は妥当だったとの意味なのか。
「そうだ」
――米国務省がホワイトハウス、国防総省、議会などとあまりにも慎重に協議したことが政策決定を遅らせる要因になったとの指摘があるが。
「現実的にそうならざるを得ない。われわれは北朝鮮が真摯な姿勢で交渉テーブルにつくよう真摯な姿勢で努力したが、いわゆる『対話のための対話』には関心がなかった」
――クリントン国務長官が来週ミャンマーを訪問するが、訪朝の可能性は。
「不可能なことではないが、分からない。オルブライト元国務長官が北朝鮮を訪れているため、訪朝しても米国務長官の初訪問ではない」
――いわゆる「北朝鮮核の管理戦略(management strategy)」に対する意見は。
「わたしはその用語を使わないだろうし、使いたくない。代わりに『対話(dialogue)』という言葉が適切で、ある時点になれば『交渉(negotiation)』になるだろう」
――2012年は韓米両国で大統領選があるなど重要な年で、北朝鮮問題に取り組むには時間が足りないのではないか。
「そうではない。われわれは忍耐が必要で進展に向け準備しなければならない」
――北朝鮮が再度核実験を行う可能性は。
「そんなことがないことを望む。北朝鮮がウラン濃縮作業を進めていることは把握しているが、どの程度進んでいるかは分からない。しかし、ウラン濃縮計画が交渉を複雑にしていることは間違いない」
――北朝鮮とイランの核計画の協力可能性は。
「これに対する具体的な証拠をみていない。いろいろな動きがあることは知っているが、推測することは適切ではない」
――米政府は北朝鮮への食糧支援に踏み切るのか。
「検討しているようだ。食糧支援問題は政治的事案とは別問題だ。ただ、これに対し下手に予想することはできない」
――北朝鮮と関連した書籍の出版計画はあるのか。
「北朝鮮に対する書籍がまだ必要なのか分からない。何かを書けるだろうが、本になるかは分からない」
――一緒に仕事をしたソン・キム氏が駐韓米大使として韓国に赴任した。
「彼にわたしのメッセージを伝えた。駐韓大使となったのは非常に良いことだ」

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