『余命10年』監督の藤井道人がプロデュースし、綾野剛主演のドラマ「アバランチ」では藤井と共に演出を担当した新鋭・山口健人監督が現代の日本の若者たちが抱える「病み」を鋭い視点で描く映画『生きててごめんなさい』(通称:イキゴメ)。
この度、公開記念舞台挨拶が、2 月 4 日(土)に開催された!
主人公・修一役の黒羽麻璃央、ヒロイン・莉奈役の穂志もえか、修一が編集を担当することになる売れっ子コメンテーター・西川役の安井順平(「妖怪シェアハウス」「極主夫道」)、莉奈のバイト先の客・葵役の飯島寛騎(「仮面ライダーエグゼイド」主演)、監督の山口健人が登壇した。
舞台挨拶では、黒羽が演じた修一が『会ってたのは男の先輩だ』と嘘をつく程素敵な大人の女性を演じた松井玲奈との共演について、穂志が寝巻きでオーディションに行った話など制作の裏話について語った。
まず山口監督が、黒羽のキャスティング理由について、「企画・プロデュースの藤井道人からおすすめされまして。『あいつすげえイケメンなんだけどさ、時々すげぇ人間臭い醜い顔するんだよ。それを撮って欲しいんだよね』と言われて。醜いというと強烈な言い方になるんですけれど、実際お会いしたら、かっこいいんだけれど、人間臭い優しさが垣間見れる素敵な方だったので、ご出演をお願いしました。」と説明。今まで見たことのないような黒羽の表情が撮れたかと聞かれ、監督は「撮れたと思います。撮影中ずっと追い詰められていて、すごく素敵な醜い顔が撮れました。」と太鼓判を押し、黒羽も、「醜い俳優です」と乗っかる場面も!
本作は順撮りに近い形だったとのこと。追い詰められていく修一を演じた黒羽は、クランクアップ時の気持ちを聞かれ、「それは天にも登るような気持ちでした。クランクアップの時間が、朝の4時とか5時の時間帯でした。『お疲れ様でした〜』とドアを開けたら朝日で、それは召されますよね。」と独特の言葉で表現した。
山口監督は穂志のキャスティングについて、「オーディションに来ていただきました。役に合わせてヨレヨレのコジコジの寝巻きで来てたんですけど、入ってきた瞬間に『この人だな』と思いました」と話した。安井が「受かったからかっこいいけど、受からなかったらダサいよね」と突っ込むと、監督が、「家からその格好で来てたの?」と聞き、穂志は、「もちろん、もちろん。電車に乗って。オーディションのシーンが無職時代の莉奈だったので、それに合わせて(寝巻きを)選ばせていただきました。」と寝巻きを着て行った理由を説明した。
山口監督は西川役の安井順平のキャスティングについては、「芸達者な素晴らしい方で。西川は嫌な奴なんですが、ただの嫌な奴ではなく、面白おかしい嫌な奴にしていただきたいなと思っていた」とのこと。西川は、編集を担当する修一からしたら担当になりたくない最悪の著者。西川は、「こういう業界にいますと、そういった方、結構いるんですよ。」と返し、会場の笑いを誘い、「自己中な、声のでかい、アバウトなことしか言わない奴ら。それの集合体、モンスターみたいなものが西川です。とにかく嫌な奴なんですが、西川は、それなりに矜持があってやっている。特異な役を演じるのは役者冥利に尽きる。楽しく撮影させていただきました」と話した。
山口監督は、莉奈のバイト先の客・神宮寺葵役を登場させた理由について、「飯島さんと八木(アリサ)さんが最初に居酒屋のど真ん中で映っている(画で始まる)。主人公っぽい人が良かったんです。」と話し、飯島は、”本来ならば主人公”の役とのことで、山口監督のもとで主人公を演じたかったという想いもあるんじゃないかと聞かれ、「もちろんです。次回あったらよろしくお願いします。」と監督とお辞儀をし合い、「マネージャー、聞いてる?」とジョークを飛ばした。
飯島演じる神宮寺は、穂志演じる莉奈に居酒屋で蟹の足を投げつけられる。「人に蟹の足を投げつけられる人生ってないですよね」と話した。カットを繋げて莉奈が蟹の足を投げたように見せたのではないそうで、「(穂志に)実際に投げていただきました。楽しく蟹をよけました。」と話し、会場を盛り上げた。
穂志にとっては、そのシーンはオープニングシーンで、莉奈のことを観客に1シーンで知ってもらう、難しいシーンだった。「莉奈が嫌われてほしくないという話を山口さんから伺っていたので、ただ衝動的な子に見えないようにしたいと思ったんですけれど、飯島さんが嫌な高圧的なお芝居をして、『こいつには(蟹の足を)投げてもしょうがないだろう』という雰囲気にしてくださったので助かりました。」と感謝を述べた。
黒羽が演じた修一が莉奈に『会ってたのは男の先輩だ』と嘘をつく程素敵な大人の女性を演じたのは、松井玲奈。黒羽は松井について、「妖艶というか、大人の色気を存分に出していただいて、修一を戸惑わせていただいたので、すごく有り難がったです。」と話した。安井が黒羽に、「あれは、(修一は松井が演じる)先輩のこと、ちょっと好きだったの?莉奈と天秤にかける感じはあったのかな?」と聞くと、莉奈役の穂志は「嫌だ、嫌だ、聞きたくない!」と言い、黒羽は、「いければいっちゃおうかな?という感じはあったと思います。今どきの言葉で言うと”ワンチャン”っていう感じですね。恋とは違いますけれど、お綺麗な方ですし、揺さぶられる部分があったと思う」と修一の男心を説明した。
最後に穂志は、「世間のジャッジとかで自分のことをダメだと思ってしまう人や自分のことを責めてしまう人も、自分も魅力的なんだということに気づいていただけるきっかけにこの映画がなればと思っています」、黒羽は、「素敵な作品に巡り会えたし、素敵なみなさんに出会えたと素直に思っています。ポスター(のキャッチコピー)にある『きっと大丈夫。多分。』という言葉が大好きな言葉になりました。皆様の背中をちょっと押して、はじめの一歩になるような作品になっていることを願っています」とメッセージを送った。
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