6日、都内の中央卸売市場葛西市場を台湾・高雄市の陳其邁(チン・キマイ)市長が視察に訪れ、同地の名産であるナツメのPRと日本での流通を担当するマルエイ商事への感謝状贈呈を行った。

高雄市は、ナツメやパイナップルの産地で、2年前に突如中国が同地のパイナップルの輸入を停止したとき、日本がそのパイナップルの受け入れ先として手を挙げたことから関わりが深くなった。

陳市長は「コロナでも台湾が日本にマスクを、日本が台湾にワクチンを送ってくれました」と最近のコロナ禍での関わりに言及し、「思い返せば2年前、中国が急に輸入を禁止し、農家が大打撃を受けたときに、それを助けてくれたのが日本でした」と振り返った。

高雄市のパインについて、陳市長は「パインで一番多いしのは台湾産。その中でも一番美味しいのが高雄産のものです。すごくいい水が流れているので、甘い農作物を作ることができます」とアピール。今回マルエイ商事が扱うナツメについては、「日本の皆様にはナツメはあまり馴染みがないかもしれませんが、梨とりんごの間のような香りと食感です」と説明した。

また、同じく同地の名産であるカラスミと一緒に食べるのが台湾ではポピュラーな食べ方ということで、陳市長は「ナツメとカラスミを一緒に食べるときが最高の瞬間です」と明かした。なお、カラスミに関して、去年の12月に来日した際に、小池百合子東京都知事が試食し、美味しいと言ったそうだ。

また、陳市長と一緒に登壇した、マルエイ商事の田中伸幸代表取締社長は「台湾でパインを試食したときこれを日本皆様にも召し上がってもらいたいという思いが湧いた。今週からナツメの市場販売をしていますが、このようなチャンスをもらったことを御礼すると共に日台友好の一助になればと思っています」と話した。(斎藤雅道)