吉本興業が創業110周年を記念して立ち上げた、日本の観光を盛り上げる新プロジェクト「YOSHIMOTO SUN」。その第一弾となる「YOSHIMOTO SUNバスツアー」が、5月4日(木・祝)にスタートした。

本ツアーでは、吉本芸人がバスガイドとして帯同し、おもしろトークで観光情報を提供。吉本新喜劇特別ミニプログラム鑑賞や舞台セットの体験ができる「吉本新喜劇セット(堺)でおもしろ体感ツアー」と、道頓堀や新世界といった王道観光スポットをめぐりながらあちこちで芸人が現れる「芸人と遭遇ツアー」の2コースが用意されており、いずれもお楽しみ満載・吉本ならではのオリジナルな内容となっている。

●新世界でいきなりラニーノーズが歌ネタ

午前8時40分、新大阪に集合した「芸人と遭遇ツアー」(午前便)の参加者たちは、いったい何が起こるのかワクワク・ドキドキの表情。芸人バスガイドは福人、なんじゃもんじゃるか、シェメイシンが担当する。にぎやかに自己紹介した後、「よしもと」「さーん」のコール&レスポンスでバスが走り出すと、さっそく参加者を巻き込んだトークを開始。芸人仲間のエピソードで笑わせたかと思えば、バスが中心地にさしかかると“心斎橋”という地名の由来を紹介するなど、頼れるガイドぶりを発揮していく。

新世界に到着すると、ここからは徒歩での散策。通天閣を見上げるアングルでダイナミックな“映え”ショットが撮れるスポットでは、芸人バスガイドとの記念撮影を希望する参加者が続出した。

とあるホテルの前にさしかかると、何やらギターの音色が聞こえてくる。すると、そこにはラニーノーズ(洲崎貴郁、山田健人)が! 洲崎曰く「ネタ合わせしてただけ」だそうですが、思わぬサプライズに一行は大喜び。2人は参加者から名前や好物、悩みごとを聞き出し即興で歌に仕立てたり、メロディに乗せた「10回クイズ」のネタを繰り出した。続いて、YouTubeやTikTokでも人気のビコーン!(樋口秀吉、前田志良)が登場し、得意の大道芸で沸かせる。前田がカバンの中から出てくると、子どもたちは大爆笑。次々と飛び出すカバンを使ったスゴ技やモノマネで、大いに楽しませた。

●かつみ♡さゆりと車内で記念撮影大会!?

バスに戻ると、今度は道頓堀へと移動。芸人バスガイドたちは、車窓から見えるあべのハルカスや天王寺動物園、上町台地にまつわるうんちくや小ネタの数々を披露し、時にはクイズ形式のトークも織り交ぜるなど、移動中も決して退屈させない。

と、ここでなぜかバスがスピードを落としました。目の前には、「YOSHIMOTO SUN」と書かれた1台のタクシーが止まっている。そこから降りてきたのは、なんとかつみ♡さゆり! そのままバスに乗り込むと、ビッグなサプライズゲスト登場に、驚きの大歓声が上がります。テンションMAXでしゃべりながら、バスの通路をずんずんと最後尾まで進んだ2人は、一人ひとりとおしゃべりしながら記念撮影。「かまいたちのほうがよかったですか?」「(写真を)SNSに載せるなら、いい人でしたって書いてくださいよ!」とボケまくり、車内を爆笑と興奮の渦に巻き込んだ。予定時間をオーバーしてしゃべりまくった2人は、下車後も手を振ってバスを見送る大サービス! 

道頓堀に到着すると、再びバスを降りて、観光客でにぎわう通りを歩く。休憩のために立ち寄ったカフェでも、またまたサプライズ。木下弱が現れ、スリル満点の大道芸で度肝を抜いた。丸い筒の上に置いた台に立ち、フラフープをくぐったり冷えピタを貼るなど、笑いもたっぷりのバランス芸は大好評! さらに、東京オリンピックの開会式でスポーツピクトグラムのマイムを行ったGABEZが、コミカルなパントマイムを。参加者とのかけあいも楽しいパフォーマンスで魅了した。

バスに乗って道頓堀から解散場所のなんばパークスに向かう道中も、まだまだ芸人バスガイドたちのトークは尽きない。最後はすっかり打ち解けたムードとなるなか、ツアーは終了した。

●鉢合わせした強盗の正体は…?

午後1時40分、「吉本新喜劇セット(堺)でおもしろ体感ツアー」(午後便)の集合場所は、なんばパークス。参加者はここからバスに乗り込み、一路、堺へと向かいます。芸人バスガイドは、デレク、ちかこ先生(ほずみ)、桂小留、笠川拓夢の4名。吉本新喜劇のテーマ曲が流れるなか、それぞれが自分の持ち味・特技をアピールする自己紹介タイムからスタート。堺までは高速道路を使用しての移動となったが、その下にある住吉大社などの名所も丁寧にガイド。一般道に降りてからも、阪堺電気軌道のチンチン電車にまつわる逸話が紹介されたりと、大阪の魅力・見どころを逃さずアピールしていく。

まずは、堺の伝統産業と匠の技が集結する「堺伝匠館」へ。バスを降りた参加者がエントランス前で集合していると、館内から謎の男2人が駆け出してきて鉢合わせに。よく見ると、吉本新喜劇の千葉公平とボンざわーるどだ! 手にはおもちゃのピストルを持ち、どう見ても“強盗もどき”。ボンざわーるどが“ボンバズーカ”を誤発射するボケもまじえて笑わせた2人は、止まっていたタクシーに乗り込み、あっという間に去って行った。

一行は、気を取り直して「堺伝匠館」を満喫。包丁をはじめとする刃物や注染和晒など、堺の伝統産業にまつわる展示は見応えたっぷり。1階にあるショップでは、それら名産品を購入することもできる。芸人バスガイドは、展示品を見る乗客をサポートしたり、おすすめのお土産を紹介したり、ここでも大活躍していた。

●新喜劇の後は舞台づくりの裏話も

バスに戻り、いよいよ新喜劇鑑賞に向かう。車中では、「新喜劇で誰が好き?」「知ってるギャグは?」といった新喜劇トークでヒートアップするが、気になるのは堺には新喜劇を上演する劇場がないこと。果たしてこのツアーの目的地はどこなのか……? やがてバスがとある場所に入っていくと、そこにはおなじみ「花月うどん」のセットが! 予想外の会場に参加者は驚き、「えー!」「おおー!」と声が上がる。

舞台の間近に設けられた座席に座ると、信濃岳夫、諸見里大介、小寺真理が登場。お待ちかねのミニ新喜劇が開演だ。うどん屋の店主・信濃は近所で働くOLの小寺に片思い中。アルバイトの諸見里は、そんな2人の恋路をかき回す役どころだ。やがて「堺伝匠館」で出会った強盗2人組が乱入してきて、舞台上は大騒ぎに! 諸見里の滑舌ネタをはじめ、新喜劇ならではのボケやギャグが満載のドタバタ劇が繰り広げられていく。

千葉とボンざわーるどが希望者をつのり、人質役として新喜劇に参加してもらう趣向も大ウケ。終演後は、新喜劇の舞台美術担当者が、舞台セットづくりのプロセスや裏話を語るコーナーも設けられた。

最後は座員たちと舞台セットをバックに記念撮影。バスに乗り込み、解散場所の新大阪駅へと出発する際には、座員たちがボケながら見送るという贅沢なおまけも付いている。もちろん、この後もバスを降りる直前まで、芸人バスガイドが「新喜劇クイズ大会」などさまざまなコーナー&トークで楽しませていた。