歌舞伎俳優の中村米吉、元宝塚で女優の紫吹淳らが5日、東京芸術劇場で6日に開幕の舞台「オンディーヌ」のゲネプロを行ったことを、各メディアが報じた。

日本では1958年に劇団四季が初演し、その後も上演を重ねられている20世紀屈指の古典劇。フランスを代表する劇作家ジャン・ジロドゥ氏の最高傑作といわれる今作は、永遠の愛を信じて人間界に入った水の精オンディーヌ(米吉)と、遍歴の騎士ハンスの悲恋を描く。 

新作歌舞伎「風の谷のナウシカ」のナウシカ役などを務めるなど、注目の若手女形である米吉だが、今回が外部作品での初主演をつとめることになった。

紫吹は同じ事務所の米吉を「全く役作りなく、そのまんま」とコメント。すかさず米吉が、「オンディーヌを、役作りなしはおかしいですよ!僕、鱒(ます)投げたりしませんよ?」と反論し笑わせた。

「今年かなえたいことは?」の質問に、米吉は平仮名で「ふかめる」と回答。「お芝居や人とのご縁など、一つひとつを深めたい」と意気込んだという。

米吉は1993年3月、五代目中村歌六の長男として生まれた。2000年7月、歌舞伎座「宇和島騒動」の武右衛門せがれ武之助で父・歌六の前名を継ぎ、五代目中村米吉を襲名して初舞台。そして、2011年から本格的に女形を目指すようになった。

2015年に「鳴」の雲の絶間姫で「十三夜会」の奨励賞、21年に「第42回松尾芸能賞」の新人賞を受賞している。

「大の甘党であり自身のインスタグラムには日頃食べたスイーツを投稿。自他共に認めるしゃべり好きで、『しゃべりすぎる女形』として自己紹介することもある。自身のインスタグラムでのライブ配信で1人で2時間以上話すこともあり、そのトークを好むファンも多い。坂東玉三郎、中村七之助ら有名な女形の先輩たちとは違うキャラを持っているので、バラエティー番組への出演でブレークする可能性もありそうだ」(テレビ局関係者) 

注目株の1人であることは確実だ。