俳優ユ・アイン、「廃業のコンビニ」エッセイが話題。
※以下、直訳のつづき。
振り返ると「食事はしましたか」という、その普通にありふれた挨拶さえ一度も、先にしたことが無いほど、私は無心な客であり、だから最後までもそのおばさんは私の名前の後ろに「さん」を取らなかったようだ。
「アインさん」、「アインさん」、不便過ぎるその呼び方。多分、故郷の実家で暮らしながら学校に通ったり、呑んでいたりしたならば、母がそうしたはずだ。私はまたその心が嫌で面倒くさくて、返事も真面にしない無口な息子のままでいたんだろう。
愚かにも、一昨日、最後にコンビニに行った時、その時も既にビニル袋一杯にタダの電子レンジ用のご飯を入れてくれながら、そのおばさんは少女のように恥ずかしそうな別れの挨拶をしてくれた。
「仕事に頑張って、タバコもちょっと減らしてね。ああ、アインさん、私、教会に行くと、アインさんのために祈りますよ。私の祈りは良く効くの。だから、アインさんの仕事、本当にうまくいくと思うよ。」
そんな言葉に、私は無防備であった。習慣のような感謝の言葉も出なかったし、「本当のでしょうか?期待しますよ!」と、ふざけた言葉を返す洗練さも、僕には無かった。
(つづく)
2019/01/24 15:10 配信
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