前号のメルマガで、「花(の)道だけを歩かせてあげるよ」というフレーズに
ついてご紹介しました。

その直後、タイムリーなことに、学生時代にお世話になった老舗そば屋が
惜しくも閉店するという知らせを友人から受けました。(参考:老舗食堂


8月29日付の日本経済新聞「文化欄」に、最後の4代目の店長、加藤峯子さん
のインタビュー式特集記事が組まれていましたので、読める方はぜひ読んで
いただきたいです。

1906年創業、112年の歴史を持つ「三朝庵(さんちょうあん)」というお店ですが、
記事を読み、創業時の家主が大隈重信公だったこと、2階で井伏鱒二などの
大物作家が蕎麦を注文しつつ執筆をしていたことや、大物政治家を輩出した
大学の雄弁会がヤジの練習をしていたことなどの歴史が紹介されていて
興味深かったです。

さて、この記事がなぜタイムリーだったかというと、以下、日経の記事から
加藤さんのインタビュー内容の一部を抜粋させていただきます。

「高校卒業後に福岡から上京、百貨店でネクタイを売っていたころ夫と出会う。
26歳で結婚し、がむしゃらにやってきた。結婚するときは’お手伝いさんが
いるから何もしなくていい’と聞いたが、初日からせわしく働くことに」

何もしなくていいよ、は、韓国語で、

「아무것도 안 해도 돼.」
(アムゴット アネド トゥエ)

最近は韓国にもいわゆるイクメンが増えていると聞きます。このように
プロポーズする人はいるのでしょうか。

さて、4代目の加藤さんも当時は、「何もしなくていい→花の道だけを歩かせて
あげる」と言われ、結婚したのか、と。でも それが、記事内にもありましたが、
「体力の限界」まで、お店を守ることになったんですね。強い方ですね。

三朝庵は、あの界隈のシンボル、あって当たり前のような存在だったので、
とても残念です。復活を期待する声も多いのだとか。私も声を上げたいところ
ですが、毎日食べに行けるわけでもないし、経営をする身として、お店を
たたむという決断をしたことに対し、軽々しく復活を求める気にもなかなか
なれません。112年、すごいことです。加藤さんに、心から「お疲れさまでした」
とお伝えしたいですね。



※韓国語を配信・提供したい個人様または法人様は「お問い合わせ」ください。