前号に続き映画の話題です。翻訳書『無礼な人にNOと言う44のレッスン』(白水社)の
中に、アメリカの映画監督、デイミアン・チャゼル氏のことが書かれています。
氏の『ラ・ラ・ランド』は有名ですが、その前の作品『セッション』にも触れられて
いて、その作品を生み出したエピソードが興味深く、いちど観てみたかったのです。

この作品は、アメリカの名門ジャズスクールの話。超パワハラ教師と、その下で
ドラマーデビューを果たしたく血のにじむような(本当に血がにじむのですが…)
努力をする学生の話です。

「猛烈な努力をして芸を極める」系の映画は割と好きなのですが、このパワハラ
っぷりには圧倒されてしまいました。その教師のセリフの中に、「英語の中で
もっとも危険な言葉は’Good job(いいぞ、上手だ)’だ」というシーンがあります。

これは、安易に褒めていたりしたらいい気になって学生は伸びない、という
ことを言いたいのだと思いますが、いまの時代の流れと逆行していますね。
パワハラ問題もさることながら、「褒めて育てる」という教育方針などなど…。

韓国語の場合、

「잘했어요.(チャレッソヨ/上手です。うまいです。)」

になりますが、私も授業の中で、あ、いまの受講生の方のパフォーマンス、
良いな!と思うと、「잘했어요.」と言います。受講生の方はさらに自信を持って
言葉を発することができ、逆に「魔法の一言」だと思うのですが、
映画のパワハラ教師さんとしては危険(非常に良くない)のですね。

目指すものの程度の違い、と言われてしまえばその通りなのですが、
皆さんはどうお考えでしょう。映画『セッション』、話題作でもありますので、
ぜひいちど、観てみてください!


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